副鼻腔炎・蓄膿症で中耳炎に?!耳鳴り、耳が痛い場合は要注意!
副鼻腔炎(蓄膿症)を患っている方には、一定数
耳の痛みや耳鳴り
を感じる方がいらっしゃると思います。
筆者も副鼻腔炎から、一時的な「耳の痛み」を起こしたことがあります。
結論から言うと、この痛みや耳鳴りは「中耳炎」である可能性があります。
もちろん「中耳炎」ほどの病気を患ってなくとも、副鼻腔炎が原因となり耳鳴りなどの違和感が出ることがあります。
と言うことで、このページでは
- 中耳炎の症状とは?
- なぜ副鼻腔炎(蓄膿症)から中耳炎となるのか?
- 中耳炎の治療法や薬について
- 中耳炎の予防について
- 中耳炎は再発の可能性があるのか?
- 副鼻腔炎(蓄膿症)を治すには?
というテーマでわかりやすく説明していきます。
鼻の周りには8つの「副鼻腔」という空洞があります。
ここに何らかの原因で炎症を起こすのが「副鼻腔炎」ですが、それが3ヶ月以上継続し、かつ膿が溜まっている場合は「蓄膿症」と呼ばれます。
ただし、「副鼻腔炎≒蓄膿症」として扱われることが多いので、違いはあまり気にしなくても良いでしょう。
※悪化して蓄膿症になると、「抗生物質の種類が変わる」などの違いはあります
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中耳炎の概要と症状について!
ではまずは、今の “耳の症状” が「中耳炎なのか?」を知るために、症状からお話しましょう。
中耳炎の症状は?
中耳炎になると、
- 耳鳴り
- 頭痛(耳の奥の方が痛む)
- 耳だれ(耳から膿が出てくる)
- 難聴
- 耳から出血する
- 発熱
- イライラしがちになる
などの症状を覚えます。
もちろん、「中耳炎」という病気を患っていなくとも、副鼻腔炎や慢性的な鼻詰まりによって耳がバリバリしたり、耳鳴りが継続する場合もあります。
中耳炎ってそもそもどんな病気なの?
耳は「音を拾う」だけではなく、「まっすぐ立つ」などの平衡感覚を司る器官でもあるので、大変重要な器官です。
したがって耳に異常をきたすと、難聴以外にも
- めまい
- 吐き気
- 頭痛
などが起こり、回転性のめまいが生じた場合には立っていることができなくなります。
“めまい” が頻繁に起こる方へ
>>副鼻腔炎(蓄膿症)や鼻づまりで起こる「めまい」の原因と対処!
そんな耳ですが、大きく分けると
- 外耳(がいじ)
- 中耳(ちゅうじ)
- 内耳(ないじ)
という3つのパートに分かれており、今回紹介する「中耳炎」は文字どおり「中耳」に起こる炎症性疾患です。
では「中耳」とはどこでしょうか?
画像引用:https://hochouki.senior-anshin.com/cont/ear-mechanism/
上の画像のとおり、鼓膜の内側にあり、耳管(じかん)と繋がっている部分を「内耳」と言います。
何らかの原因でこの中耳に炎症がおこる病気が「中耳炎」であり、大人よりも子供がなりやすい病気とされています。
しかし、大人でも副鼻腔炎や蓄膿症、花粉症などを患っていると比較的かかりやすいと言われています。
では、なぜ副鼻腔炎や蓄膿症などから発症してしまうのでしょうか?
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なぜ副鼻腔炎(蓄膿症)から中耳炎となるの?
なぜ副鼻腔炎から中耳炎となるのでしょうか?
結論から言うと、「鼻と耳は繋がっており、鼻から耳へと菌が流れるから」という理由が多いのですが、もう少し詳しく説明しましょう。
まず、中耳炎には
- 急性中耳炎
- 滲出性(しんしゅつせい)中耳炎
があります。
※さらに細かく分けると「慢性中耳炎」などにも分類されますが、ここでは深い話は省略します
「急性中耳炎」の場合の症状!
急性中耳炎は、主に病原菌に感染することで発症します。
中耳に膿が溜まることで鼓膜を外側に圧迫します。すると鼓膜の一部が避け、膿が外に出ていきます。
この時炎症が強いと、出血も見られるため
- 耳だれ
- 耳からの出血
が見られるようになります。
また、強い自覚症状が出やすく
- 激しい痛み
- 高熱
- 頭痛
- 嘔吐
- めまい
- 難聴
などに見舞われるようになります。
なお、副鼻腔炎や蓄膿症は多くが感染性によるものなので、「急性中耳炎」を起こしやすい状態と言えます。
「滲出性中耳炎」の症状!
滲出性中耳炎は、慢性的な中耳炎であり、急性に比べると症状は軽いのですが、治りにくい疾患とされています。
感染性以外の副鼻腔炎の時に起こりやすく、鼻から逆流してきた浸出液が排出される時に「中耳内の気圧」が下がり、鼓膜が内側に引っ張られるため
- 鼓膜の損傷
- 耳鳴り
- 難聴
- 頭重感
などを感じるようになります。
急性に比べると症状が穏やかなので一見気付きにくく、検診等で見つかる場合もあります。
副鼻腔炎(蓄膿症)とこれらが関係する理由!
蓄膿症や副鼻腔炎になると、慢性的に鼻水が出てきます。
それを
- 強くかむ
- 強くすする
ことで、耳の内部に負担がかかり中耳炎となります。
強くかむとなぜ負担になる?
内耳は「鼓膜」で遮られており、中の気圧が一定に保たれています。
急に鼻に強い刺激が加わると、そばにある中耳内が圧迫されます。
すると一時的に鼓膜に穴が開き、そこから病原菌が進入したり、膿や浸出液が流れ出ていきます。
鼻水をすするとなぜ負担になる?
副鼻腔は一部が「耳管」と繋がっており、慢性的に鼻水が出ていると中耳側に鼻水が漏れていきます。
副鼻腔炎(蓄膿症)の多くは感染症なので、鼻水によって菌が耳に運ばれてしまい、中耳内で炎症を引き起こします。
また、鼻水が耳管に逆流する現象が起こると、排出される時に鼓膜が内側に引っ張られ、耳鳴りや難聴などの症状も引き起こします。
これらの理由から、副鼻腔炎(蓄膿症)などで鼻水が出る場合は、強く鼻をすすったりかんだりしないように注意しなければなりません。
では、もし中耳炎を発症した場合はどのような治療があるのでしょうか?
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中耳炎の治療法!
まず大前提として、副鼻腔炎(蓄膿症)が原因として起きている場合は、それらが治療しない限り、中耳炎が何度も再発を繰り返す可能性があるため、先に鼻の治療をする場合もあります。
※通常は耳鼻科を受診しますので、あわせて治療することも多いでしょう。
副鼻腔炎(蓄膿症)の治療は?
副鼻腔炎・蓄膿症の治療に関しては、副鼻腔炎・蓄膿症とは?種類と症状・原因・治療の違い!をご覧ください。
こちらでは、一般的な治療のお話の他、筆者がこれまで試してきた方法、実際に効果のあった方法など分かりやすくまとめています。
では「中耳炎の治療」についてですが、中耳炎の治療では
- 鼻水を吸入する
- 投薬でコントロールする
などが第一選択肢になります。
投薬で使われる薬としては以下のようなものがあります。
中耳炎の治療で使われる薬剤
消炎鎮痛剤
最も多い症状が耳の奥の方の痛みです。
特に急性中耳炎では激しい痛みを伴いやすいので、消炎鎮痛剤が処方されます。
熱がある場合はこれで解熱も可能です。
薬品としては
- アンヒバ
- カロナール
- ピリナジン
などがあります。
点耳薬
耳だれ時や、鼓膜に穴があいてしまった場合に処方されます。
耳だれを綺麗に掃除してから点耳するのがポイントです。
主に感染が原因の中耳炎に対して処方されます。
薬品としては
- タリビット
- ホスミシン
- ロメフロン
などがあります。
抗生物質
感染性の中耳炎で炎症が強い時に処方されます。
抗生物質とは病原菌を殺すための薬です。
自己判断で服用を中止すると耐性菌ができやすくなるので、決められた量をしっかりと飲みきるようにしましょう。
薬品としては
- アモキシシリン
- ビクシリン
- サワシリン
などがあります。
また症状によっては以下のような治療があります。
耳管通気療法
鼓膜に空気を送りこみ、鼓膜の状態を元に戻す治療法です。
鼓膜切開法
鼓膜の一部を切開し、中に溜まっている水や膿を取り出す治療法です。
鼓膜チューブ留置法
何度も鼓膜切開が必要な場合には、あらかじめ排膿(排水)用のドレーンチューブを留置して、中耳に水や膿がたまらないようにします。
画像引用:http://www.sas3387.jp/chujien
チューブは外からは見えませんが、麻酔をかけて行われる外科処置です。
数ヶ月留置して経過観察をし、その後様子を見て抜去します。
アデノイド手術
子供に多い症例ですが、アデノイドという扁桃の一部が肥大すると副鼻腔炎を起こしやすくなります。
ここから中耳炎を合併している場合は、根治術として肥大したアデノイドを切除するという手術が行われます。
>>アデノイド肥大による切除手術とは|大人と子どもで違うの?
どちらのタイプの中耳炎であっても、放置していると平衡感覚を司る「三半規管」にまで影響を及ぼしかねません。
すると「特発性難聴」や「メニエール病」といった耳の病気の原因にもなるので、適切な治療を受けるようにしましょう。
では続いて「副鼻腔炎から中耳炎にならないための予防」について説明しましょう。
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副鼻腔炎から中耳炎にならないための予防
上記のとおり中耳炎は鼻の病気に合併しやすいです。
つまり、大前提としては一刻も早く蓄膿症を治すことが大切です。
また、鼻水はすすりすぎも問題ですし、噛みすぎも問題です。
鼻をかむ時は強くかまないように、優しく押し出すようにしましょう。
そして免疫力が弱まると、中耳炎といった「感染性の病気」や、「アレルギー性の病気」にかかりやすくなります。
そのため、免疫力を下げないために生活習慣を改善する必要性があります。
特にストレスケアには十分な対策を講じてください。
生活習慣改善のポイントは以下のとおりです。
睡眠はたっぷりと取る
質の良い睡眠は一番のストレス解消法であり、免疫力を向上させるためにも必須です。
夜は同じ時間に寝て、同じ時間に起きるという規則正しい生活を送る事で、「免疫力を制御している自立神経」が正常に働きやすくなります。
食事は三食きちんと食べる
人間は食事によって栄養を補給しながら生きていくようにできています。
したがって食事はおろそかにできません。
ダイエット中の人もきちんと「栄養バランス」と「カロリー」を計算した上で、正しい食生活を送ってください。
運動習慣を身につけよう
耳の構造は非常にデリケートで「高度な情報処理」を行っている重要な場所です。
そのためには大量の血液が必要なので、血流障害は外耳炎や中耳炎のリスクを高めてしまいます。
軽めの運動をする習慣を身につけ、血液の流れを良くすることを心がけましょう。
お風呂にはきちんと入る
入浴する事で寝る前の血流を上げ、リラクゼーション効果で寝つきが良くなり免疫力が向上します。
シャワーだけで済ませずにゆっくりと湯船に浸かって、その日の疲れをその日のうちにとるようにしましょう。
では続いて
「中耳炎は再発の可能性が高いのか?!」について説明します。
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中耳炎は再発の可能性が高い!
中耳炎を起こす原因には
- 鼻の病気やアレルギー
- 感染症
- ストレス(免疫力が下がり感染症にかかりやすくなります)
など様々な要因があるので、一度治っても再発を繰り返すケースが多い疾患です。
また一度発症すると「滲出性中耳炎」や副鼻腔炎などの基礎疾患がある場合は、治療に長期間要する場合もあるので十分な注意が必要です。
少しでも中耳炎にかかるリスクを下げるためには、上記に挙げたような生活習慣の改善や、ストレス解消法を身につけ日々実践するようにしてください。
また基礎疾患の治療が進まないと再発する傾向も強まりますので、しっかりと治療を受けるようにしましょう。
まとめ!
副鼻腔炎・蓄膿症は、放置すればするほど治りが悪くなると言われています。
筆者自身、通年型の慢性鼻炎から
- 蓄膿症
- 後鼻漏(鼻水が喉に流れる症状)
を発症しましたが、これらの症状を抑えるのに10年以上戦ってきました。
人それぞれ状態が違うので、何がベストな対処かは分かりませんが、筆者には最終的になた豆茶がベストでした。
当サイトでは、自身の経験を元に「蓄膿症・副鼻腔炎の情報」をさまざまな角度からまとめていますので、ぜひ合わせてご確認ください!
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