食道裂孔ヘルニアの症状・原因・治療・手術<食事と胃酸過多>

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このページでは、

 

  • 食道裂孔ヘルニアとは?
  • 症状
  • 原因
  • 治療
  • 手術
  • 良い食事と悪い食事
  • 食道裂孔ヘルニアを治療するポイント!

 

について、わかりやすく説明しています。

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食道裂孔ヘルニアとは?

食道裂孔ヘルニアとは

 

「食道裂孔」が「ヘルニア」を起こしているという状態

 

を示す病名です。

 

■食道裂孔とは?
胸部と腹部を隔てる部分を横隔膜と言います。

そして横隔膜には食道・大動脈・大静脈が通るための穴が空いていますが、このうち食道が通るための穴を「食道裂孔」と呼んでいます。

 

■ヘルニアとは?
「飛び出す」あるいは「ずれる」という意味の医学用語です。

したがって、食道裂孔ヘルニアとは胃の一部が食道裂孔側に入り込んでしまっている(飛び出している)状態を示しています。

 

この病態には

 

  1. 胃と食道をつなぐ噴門部という接続口が食道側にずれてしまっているタイプ
  2. 胃の一部が食道側に飛び出てしまっているタイプ
  3. 上記二つの混合型

 

という3つのパターンがあります。

 

多くの場合、この状態になっても無症状で、特に治療の必要性はないとされています。

 

ただし、逆流性食道炎などの消化器症状がみられる場合には、治療が行われることになります。

 

 

では具体的に、どのような症状がみられるのでしょうか。

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どんな症状がみられるの?

主な症状は

 

  • 呑酸(酸っぱいものがこみ上げてくる)
  • 悪心(気分が悪くなる)
  • 胸部の不快感や圧迫感
  • 腹部膨満感(ガス溜まりができやすくなります)
  • 吐き気、嘔吐
  • 胸部痛

 

などがあります。

 

※これらの多くの症状は、逆流性食道炎から引き起こされていると考えられます

 

食道裂孔ヘルニアの原因とは?

食道裂孔ヘルニアは腹圧が高くなると起こりやすい病気です。

 

イメージ的には、咳や痰を出すときにお腹に力が入ると思いますが、あの瞬間は腹圧が高まっています。

 

その為、原因としては以下のとおり「呼吸器の要因」も多くあげられます。

 

  • 肥満
  • 喘息
  • 慢性気管支炎
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  • 慢性便秘症

    ⇒たまった便が腹部を圧迫し、腹圧が高くなります。

  • 慢性胃炎(胃酸過多)

    ⇒胃酸過多の状態になるとガスがお腹に充満し腹圧が高くなります。

  • 妊娠

    ⇒つわりが原因でお腹に力が入る、また胎児の成長でお腹が大きくなるなどが原因で腹圧が高くなります。

  • 女性の更年期障害

    ⇒つわりのような吐き気と嘔吐を繰り返すことがあり、その際お腹に力が入って腹圧が高くなります。

 

 

では続いて、
「食道裂孔ヘルニアの治療」について説明しましょう。

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食道裂孔ヘルニアの治療は?

上で説明しました通り、無症状であれば特に治療の必要性はありません

 

また、胸焼けや吐き気などの消化器症状がある場合には、

 

  • 胃酸を抑える薬(ガスター、マーロックスなど)
  • 胃薬(ブスコパン、セルベックスなど)

 

が処方されます。

 

中等度のヘルニアに対しては、PPI(プロトンポンプ阻害剤)が処方されますが、この処方で効果が得られない場合やヘルニアの度合いが強ければ、重症例とみなされ手術が適用されます。

 

※PPIとは、強力な胃酸抑制剤であり、おもに逆流性食道炎や胃潰瘍の治療に用いられます

 

食道裂孔ヘルニアの手術とは!?

現在では内視鏡による手術が主流となっています。

 

これを腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア手術と言います。

 

局所麻酔をしたうえで、口から手術機材付きの胃カメラを入れて、モニターしながら行われる手術です。

 

麻酔によるダメージが少なく、術後の癒着も少ない上に胃カメラの技術が浸透していることから、現在ではこれが標準手術となっています。

 

術後の合併症には以下の様なものがあります。(合併症リスクは10%程度です)

 

  • 嚥下障害(ものが飲み込みにくい)
  • 術後感染症
  • 軽度の逆流の残存
  • 術後ヘルニアの再発

 

手術後はこのような合併症リスクを考慮し、2〜3日の入院が必要となります。

 

また術後の嚥下障害(ものを飲み込みにくくなる状態)は1〜3ヶ月でほぼ消失するとされています。

 

ヘルニアが再発した場合には程度によって再手術が行われますが、嚥下訓練などのリハビリを行うことで改善する場合もあります。

 

では続いて
「食道裂孔ヘルニアの時の食事」について説明しましょう。

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食道裂孔ヘルニアの時に良い食事・悪い食事!

食道裂孔ヘルニアで最も懸念されることは「胃酸が食道側へ流れ戻ってくること」です。

 

つまり、胃酸が増える「胃酸過多」状態にならないように注意が必要となります。

 

そのため、この病気の食餌療法としては

 

  • 胃酸を抑える食事
  • 低残渣(消化しきれないものを少なくする)
  • 低カロリー高タンパク

 

が基本となります。

 

 

推奨される食材!

推奨される食材としては以下の様なものが挙げられます。

 

肉魚類

ささみ、少々の赤身肉、白身魚

 

野菜類

基本的によく煮るかやわらくなるまで茹でる

 

デザート

ゼリーなど消化によいもの

 

主食

おかゆやよく茹でたうどん、柔らかく炊いた白米など

 

 

推奨されない食材!

逆に「摂取しない方が無難なもの」も挙げておきましょう。

 

肉魚類

脂身、青魚など脂っこいもの

 

野菜類

硬い食感のもの、生野菜

 

デザート

チョコレートや小麦を使ったもの(消化に悪いため)

 

嗜好品

アルコール、タバコ、コーヒー、緑茶、紅茶、烏龍茶など刺激が強く、カフェインの含まれているもの

 

主食

麺類、硬いご飯、パン、雑穀米、玄米など(高残渣食です)

 

その他

肉や魚の加工食品、チーズ、大豆、ナッツ類、食物繊維の多いもの(ごぼうやレタスなど)、糖質の高いものなどもNGとなります。

 

 

 

では最後に、
「食道裂孔ヘルニアを治療するポイント!」について説明しましょう。

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食道裂孔ヘルニアを治療するポイント!

以上のように、単に「食道裂孔ヘルニア」である場合は、特に症状もみられないため治療は必須とされません。

 

ただし、逆流性食道炎(食道側へ胃酸が昇りあがり、食道に炎症を起こす病気)を合併してしまうと、色々な症状があらわれます。

 

もし

 

  • 「喉元にすっぱい液体がこみ上げる」
  • 「胸焼けがひどい」
  • 「ゲップがよく出る」

 

などの症状があらわれた場合は、早めに病院へ行くことが大切です。

 

なお、当サイトでは胃の病気について分かりやすくまとめていますので、以下についてもあわせてご確認ください。

 

※逆流性食道炎についても、わかりやすく説明しています

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胃の症状を分かりやすく説明します!

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