胃下垂とは?太らない?症状・原因・診断・治し方!特徴を画像でチェック!
このページでは
- 胃下垂ってそもそもなに?
- 症状は?
- 原因やメカニズムは?
- 特徴や診断基準は?
- 治し方は?
という点をどこよりもわかりやすく!説明しています。
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胃下垂とは!?そもそもなに!?
胃下垂とは、
胃が元の位置よりも下がってしまった状態
を意味しています。
例として写真を挙げますが、
画像出典:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
画像出典:okwave.jp
これらは胃下垂の特徴「下腹部のポッコリお腹」です。
胃下垂の場合、食後におおよそ
ヘソ下〜アンダーヘアの生え際付近
がポッコリと膨らみます。
※お腹が膨らむだけで胃下垂と決め付けるのではなく、後に説明する “症状” などから判断します。
女性の間では「太らない」ということで意図的に胃下垂になろうとする人がいますが、実はこれは危険なのです。
「胃下垂」というのは病名ではなく「胃の位置」を示しているだけなので、病気ではないと言えるかもしれませんが、胃下垂になることで様々な病気を合併、もしくは続発しやすくなるのです。
ではどのぐらい胃が下がれば、胃下垂と呼ぶのでしょう?
胃は袋状の臓器で、上腹部と呼ばれる部位(腹腔を半分に分けた上側)の左上から右下に向かって配置されています。
胃下垂になると、胃の入り口の位置は変わらないまま骨盤のあたりまで胃が落ちていきます。
画像出典:https://yo-tsu.org/ikasui.html
つまり、横隔膜あたりからへそ付近まで「胃が横たわっている」ということになります。
これが「胃下垂」です。
ところが「胃が重苦しい、不快感がある」などを訴えて内視鏡検査をしても、目立った異常は見つかりません。
ただ、確実に自覚症状は出ているのです。
こうした不快感は消化不良からくるものです。
胃下垂になったら太らないのは、
食べたものが消化吸収できずに長時間留まり続けるから
です。
人の体は、食事によって栄養を取り入れながら生きて行くようにできています。
必須アミノ酸やミネラルなど、人体内では合成できない物質も、生きて行く上では必須の栄養素です。
こうしたものが吸収できない状態が長引けば、色々な健康被害がもたらされるのは当然です。
また、胃の入り口は胃下垂によって伸びた状態になっているため、ちょっとした刺激でも切れたり裂けたりしやすくなっています。
胃には多くの血管が接続されており、消化にとってとても重要な臓器ですので、「太らない」という安易な理由で胃下垂になろうとするのは「まず間違い」ということを知っておくことが必要でしょう。
では続いて
「胃下垂による症状」について説明しましょう。
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胃下垂による症状とは!?
胃下垂は「病名」ではありません。
実際に胃カメラを飲んでも、胃下垂だけでは異常は見当たらないのです。
しかし、胃の不快感や膨満感などの自覚症状は感じます。
この様に「異常が見当たらないにもかかわらず自覚症状を伴う胃腸症状」は、2013年から「機能性ディスペプシア」という病名で統一されるようになりました。
胃下垂もこの「機能性ディスペプシア」に含まれる状態ですので、機能性ディスペプシアの中で胃下垂に関連する症状を中心に挙げていきましょう。
- 胃もたれ感:特に機能性ディスペプシアでは特徴的な症状になります。
- 早期膨満感:食後すぐにお腹いっぱいになりそれ以後食が進まなくなる状態です。
- 心窩部痛:みぞおちのあたりに強い痛みを覚えます。
- 心窩部灼熱感:みぞおち付近が焼ける様な感じがします。
この4つの症状が、機能性ディスペプシアの4大症状と言われるものです。
他にも胃下垂になると
- 食思不振:食欲が減退します。
- げっぷ過多:げっぷの回数が増えます。
- 悪心嘔吐:ムカムカして吐き気を催し、実際に嘔吐することもあります。
- 下腹部膨満:下っ腹だけが不自然に張り出して見えます。
- 胃酸過多:胃酸の量が増え、胃・十二指腸潰瘍へのリスクが高まります。
- 冷え性:下がった胃に下半身へと通じる血管が圧迫されて、末端血流障害を起こし冷え性になりやすくなります。
- 便秘、下痢:胃下垂で腸が圧迫され、便秘や下痢が起こりやすくなります。
などの症状がみられます。
ではなぜ胃下垂になってしまうのでしょうか??
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胃下垂の原因とは??
胃下垂には以下の2つの原因があると言われています。
- 「心因的要因」
- 「身体的要因」
1.心因的要因
精神的なストレスによって交感神経のバランスが乱れ、消化不良を起こします。
すると胃の中の残渣物(食べ残り)が増え、その重みで胃下垂になるというパターンです。
ストレス社会と呼ばれる今日では、心因的要因から胃下垂になる人の割合が急増していると言われています。
2.身体的要因
猫背や骨盤の歪みなど、身体的な歪みが原因で胃下垂となるパターンです。
特に猫背になると、胃は重力の関係で前方下部に引っ張られるため、胃下垂になりやすくなります。
ではどのような状態の場合に、胃下垂と診断されるのでしょうか?
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胃下垂と診断される場合
一般的に胃下垂とは、胃の中心がヘソよりさがり、骨盤内にまで垂れている状態を言います。
また、胃下垂というのは病名ではなく、胃の位置を言いますので、
- 胃腸の動きが悪い
- 胃もたれをよくおこす
このような人の場合に感覚的に使われることがあります。
ただし、「胃腸が悪い」「胃もたれをよく起こす」などは他の胃の病気でも同様の症状があらわれます。
そのため、正確に診断するには、
胃透視検査(バリウムを飲んでの検査)
を行います。
この検査によって、バリウムで満たされた胃の中心と、骨盤の頂点との高さを比較し、胃下垂が起きているのかを判断します。
では続いて
「胃下垂を治すには?」について説明しましょう。
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胃下垂の治し方
以上のとおり、胃下垂になる2つの原因が
- 「ストレス」
- 「姿勢の悪さ(猫背)」
ですので、「ストレス解消」と「姿勢の矯正」によって胃下垂は治すことができます。
ストレス解消法
- 趣味を持つ
- 適度な運動習慣を身につける
- 十分な睡眠を心がける
- 食生活を改善し、生活習慣病や肥満を予防する
- 寝る前に腹式呼吸を行う
- 疲れたらストレッチやマッサージで解消する
- 細かいことに対し、神経質になり過ぎないようにする
姿勢の矯正
- ストレッチを行う
- 腹筋、背筋を鍛える
- 常に美しい姿勢を心がける(鏡やガラスに写った自分の姿をチェックする様にする)
- 胸を張る
猫背にはこのストレッチが良い!
内容としては
- 肩甲骨を寄せるストレッチ×10回
- 壁付き腕回しストレッチ×10回
- 腕引き上げストレッチ×20秒
と、やや多く感じるかもしれませんが、効果はあります!
なお、脊椎や頸椎に異常がある人は、整形外科と相談しながら「姿勢矯正」をおこなうようにしてください。
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まとめ!
以上のように、胃下垂の原因は1つではありません。
そもそも自分は胃下垂なのか?原因として当てはまるのはどちらなのか?
そのあたりを改めて見直してみましょう。
なお、繰り返しになりますが、胃下垂の状態では身体に蓄えるべき栄養もなかなか吸収されにくくなります。
「正常ではない状態」なので、「太りにくいから」という理由で放置しておくのはオススメしません。
早めに治す努力をしましょう。
なお、胃下垂であらわれる症状は、他の「胃の病気」でも同様にあらわれます。
当サイトでは、胃の病気を分かりやすくまとめていますので、どのようなものがあるのか合わせてご確認ください。
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