百日咳(100日咳)の症状・治療・薬・検査診断!大人も感染するの?
このページでは、
- 百日咳の症状・原因・治療・検査・診断
- 百日咳のよくある質問
についてどこよりもわかりやすく説明しています。
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百日咳(100日咳)って簡単に言うと何!?
百日咳(100日咳)とは、
「痙攣(けいれん)性の咳」が特徴の急性の気道感染症です。
※「気道」とは鼻や喉、気管など、「空気が肺に入るまでの道」を言います
百日咳では、その名のとおり、治るまでに100日以上(3ヶ月以上)かかる場合もあります。
1歳以下の赤ちゃんがかかることが多く、特に生後6ヶ月以内では感染・発病すると致死率も高い怖い病気です。
したがって、乳幼児のうちに百日咳ワクチンを含む「3種混合ワクチン」もしくは「4種混合ワクチン」を接種することは、日本を始めとする世界中で一般化されています。
その甲斐あって病気にかかる割合は激減しています。
(それでも日本国内で毎年数万例の患者が報告されています)
しかし、発展途上国ではワクチン接種を行えない国も多く、新生児の死亡原因として高い割合をマークしているという現実もあります。
日本でもワクチンを摂取しない新生児の発症例は確認されており、一度ワクチン接種が滞れば大流行する可能性があります。
そのため「ワクチン接種の重要性」は、赤ちゃんにとってとても重要なのです。
ではまずは、
「百日咳の症状」から説明しましょう。
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百日咳の症状とは!?
百日咳の症状は「○○期」という期間を経て変化していきます。
@潜伏期
いわゆる「潜伏期間」と言われるものです。
通常は1週間程度の潜伏期間があり、この時は症状はありません。
Aカタル期
やや症状が現れてくる時期です。
鼻水、微熱、軽い咳など、風邪のような症状が1週間〜2週間継続します。
B痙咳期(けいがいき)
言わば、「百日咳の本番症状」が出る時期であり2〜3週間ほど続きます。
感染した際の症状として、
特徴的な「痙攣性の咳発作」が起こります。
具体的には、
- 短い咳が連続する(スタッカート)
- 息を吸う際に「ヒューヒュー」という喘鳴音(ぜんめいおん)が起こるようになる
といった症状です。
また、嘔吐や微熱を伴う場合もあります。
なお、このタイミングで「これは風邪じゃないな・・・」と疑いだし、病院へ行く方が多いと考えられます。
しかし、「百日咳ですね」と診断してもらうには、検査から2-3週間掛かるため、その頃は痙咳期もほぼほぼ終わりを迎えます。
そのため、上記のような「百日咳特有の症状」があった場合は、検査結果を待たずに積極的な治療が行われることが多くなります。
■注意!
3ヶ月未満の乳幼児の場合、痙咳期では咳が出ず、無呼吸発作や皮膚の色が悪くなるという症状を起こす場合もあります。
痙咳期の咳は通常1ヶ月〜3ヶ月程度で回復しますが、6ヶ月未満の赤ちゃんの場合は、痙攣性の咳発作によって呼吸困難となり死亡するケースも多いので要注意です。
C回復期
「時々発作性の咳が出る」といった程度にまで落ち着きます。
なお、通常は「百日咳」の名のとおり、潜伏期〜回復期までで約100日(2〜3ヶ月)ほどで治癒することが多いです。
しかし、「B痙咳期のタイミングで症状が強く出ずに終わりを迎える場合」もあれば、まれに「喘息などを合併し、悪化する場合」もあります。
自然治癒するってこと?
上記の通り、症状が弱い場合は百日咳と気付かずに回復期を迎える場合もありますし、咳が続いていたとしても、体内の菌が無くなれば回復することも多いです。
つまり、自然治癒はします。
しかし、合併症を招く可能性もありますし、乳児へ感染すると死亡する可能性もある怖い病気ですので、「様子が変だな」と思った場合は、早めに病院を受診しましょう。
では続いて、
「百日咳の原因」について説明しましょう!
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百日咳の原因とは?
百日咳の原因は、
「百日咳菌」という細菌による感染
です。
主な感染経路は、くしゃみなどの飛沫感染です。
お母さんから赤ちゃんへは、母乳を通じて「色々なウィルスや細菌」に対する免疫機能が受け継がれていきます。
しかし、「百日咳菌」に関しては母乳免疫が期待できないため、ワクチン接種による予防が必要となるのです。
ワクチンについては後ほど説明します。
流行する時期について
百日咳は、一般的には6〜8月にピークを迎えると言われています。
しかし実際には、年中患者は見られ、当ページの閲覧数から見ても秋や冬の時期でも感染する可能性は十分にあります。
ただし、あくまでピークで見ると、上記の通り6〜8月ごろになります。
では続いて
「百日咳の検査・診断」について説明します。
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百日咳の検査と診断とは?
上でも説明しました通り、日本において百日咳は、ワクチン接種によって多くの感染を予防出来てはおりますが、それでも年間の患者数は数万人にのぼるとされています。
診断の際には決め手となるのは、
カタル期や痙咳期に見られる特徴的な症状
(特に息を吸う際の「ヒュー」という呼吸音)
です。
また痙咳期において症状が無くても、百日咳の流行が発表されている場合には、百日咳を疑って以下のような検査が行われます。
培養検査
鼻の奥に細い綿棒を挿入して、鼻粘膜から組織の一部を採取・培養することで、菌の存在を確認します。
ただし、培養するのに日数を要するので、検査結果が出るまでは1週間ほどかかります。
LAMP法
培養検査と同様の方法で検体を採取しますが、こちらは最短3日程度で結果がでます。
ただし実施可能な医療機関が少ないというデメリットがあります。
血液検査
血液検体から「抗体(免疫細胞)」の有無を確認する検査です。
こちらも検査結果がでるまでには2〜3週間ほどかかります。
以上のように、確定診断するための方法はいくつかありますが、ある程度の日数がかかってしまいます。
そのため問診の結果、百日咳が強く疑われる場合には、検査結果を待たずに積極的な治療が行われることが多くなります。
では続いて
「百日咳の治療」について説明します。
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百日咳の治療とは?
治療では ”マクライド系抗生剤” を2週間程服用するのが通常です。
ただし、この薬は痙咳期(咳が酷くなっている時期)には、特効薬としてはあまり高い効果は期待できません。
あくまでも痙咳期を短くするために用いられる薬となります。
重症化している百日咳には ”免疫グログブリン製剤” が用いられる場合も有りますが、副作用が強い薬なので、通常は入院し、周囲への感染リスクを低くした上で投与されます。
なお、百日咳の場合は、市販の咳止めは効きません。
では続いて
「予防接種ワクチン」について説明します。
百日咳への抗体や予防接種ワクチン
百日咳は、 ”百日咳菌” という菌が飛まつ感染などで感染することが原因の病気です。
日本だけでなく世界的にみても、乳児の頃に ”百日咳菌” への予防摂取は一般的です。
なぜなら色々なウイルスに対する免疫は、お母さんから母乳を通して乳児へ渡されていきますが、 ”百日咳菌” への免疫機能は渡されないとされているからです。
そのため、予防接種ワクチンの摂取により、免疫機能(抗体)をつくる必要があるのです。
ではここから、予防接種ワクチンのタイプや摂取時期について説明します。
摂取するワクチンのタイプ
予防接種ワクチンには
以下の3種類のタイプがあります。
四種混合タイプ
⇒ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ
三種混合タイプ
⇒ジフテリア、百日咳、破傷風
二種混合タイプ
⇒ジフテリア、破傷風
百日咳は、
上記の通り「四種混合」「三種混合」の摂取により予防します。
では続いて、
「摂取タイミング」を説明しましょう。
摂取時期や回数
では、摂取するタイプが分かったところで、摂取時期や回数を説明します。
まず摂取するタイプについては、原則以下のように分かれます。
「2012年8月以降に生まれた場合」
もしくは、
「 ”三種混合” と ”ポリオワクチン” を一度も摂取していない場合」
⇒このどちらかに当てはまる場合は、原則として四種混合ワクチンを4回接種します。
「2012年7月以前に生まれた場合」
かつ、
「三種混合を摂取している場合」
⇒原則として、三種混合ワクチンを4回接種します。
そして、この摂取タイプが決まった上で、以下のタイミングで摂取します。
第1期
生後3ヶ月以降に最初の摂取が可能になります。
第1期では、
・3〜8週間おきに計3回
・3回目から約1年半後(※)に4回目
※3回目から6ヶ月以降であれば摂取可能です
という流れで摂取します。
第2期
11歳以降に、「二種混合タイプ」を追加摂取します。
この際に「三種混合タイプ」の摂取も可能です。
最近は乳幼児よりも「大人の百日咳」が多く見られますが、これはワクチンの効果が薄れていることが原因と考えられています。
そのため、海外の多くでは、この第2期に再度「三種混合タイプ」を摂取するスケジュールへと変更されてきています。
では続いて
「百日咳は大人へも感染するのか?」について説明しましょう!
百日咳は大人へも感染する?
「百日咳は大人にも感染するの?」
よくある質問のひとつがこれです。
結論から言うと、ずばり感染します。
百日咳と聞けば、ここまでの話の通り通常は赤ちゃんがかかる病気というイメージですが、近年大人の百日咳が増加傾向にあるため、医療機関にも注意喚起が行われています。
厚生労働省の発表によれば、日本では毎年3〜4万人の百日咳患者がいますが、そのうちの半数以上が成人であると言われています。
では、なぜ大人であっても百日咳に感染するのでしょうか?
それは、乳児の頃に摂取したワクチンの予防効果が、10〜12年で切れると言われているからです。
そのため、ワクチンを接種していたとしても、感染する可能性があるのです。
成人の場合の症状としても、初期に現れるのが微熱と咳です。
この段階で病院を受診しても、「軽い風邪」と診断されることが多く、通常の風邪薬の処方でとどまるケースが多いです。
しかし、百日咳には一般的な風邪薬では効果がないため、その後も症状は継続し、菌の増殖と共に症状も重たくなっていきます。
具体的な症状の流れは幼児と特に変わりませんが、もう一度確認してみましょう。
参考!【咳が出る色々な原因・病気】
⇒咳が止まらない時の原因と対処!咳が続くのは何かの病気!?
百日咳の症状の流れ
繰り返しとなりますが、
以下の●●期を経て、症状が現れます。
@潜伏期間
感染後約1週間は、特に症状が出ません。
Aカタル期(感染1週間後〜2週間)
鼻水や微熱、咳など風邪っぽい症状が出ます。
B痙咳(けいがい)期 (感染2週間後〜3週間)
百日咳特有の「コホッコホッコホッ」というような、短い連続した咳が出るようになります。
C回復期
症状が落ち着いてきます。
先ほども説明しましたが、症状が軽くて済む人の場合だと、百日咳だと気づかずに過ごしてしまうということもあります。
そのため、最初は軽い風邪だと思っていても、菌をばら撒いてしまい、感染拡大を招く危険性の高い病気だと言えます。
では、大人が百日咳にかかった場合、放っておくとどうなるのでしょうか?
放っておくとどうなる?大人の百日咳の危険性
ずばりこの病気は、百日咳という名前にあるとおり、ほとんどの場合は約100日で ”百日咳菌” が体から消滅すると言われています。
そのため大人の場合は、症状が酷くなければ放っておいても問題ありません。
ただし、「感染する病気であるという観点」において以下の注意が必要です。
乳児への感染
乳児が百日咳にかかった場合、呼吸困難を引き起こし、最悪死亡するケースもありえます。
そのため、乳児は3種混合ワクチンを摂取するのが一般的ですが、ワクチンによる抗体が作られる前では感染する可能性があるため、乳児に接する機会のある人は特に注意が必要です。
大人が百日咳に感染しないように予防するには?
以上のように、大人の百日咳は知らず知らずの間に感染を広め、そして最悪のケースだと乳児の命にも関わります。
では、大人が感染しないようにするにはどうするのか?
それはずばり、ワクチンを再度接種するということです。
ワクチンによる抗体価が低下する時期に、追加でワクチンを摂取することで、感染予防に役立つと考えられます。
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