切れ痔の治し方と症状・原因!出血時やかゆい時は軟膏を塗るべき?
今回は「切れ痔」についてまとめてみました。
筆者自身、いぼ痔とともに「切れ痔」を発症した過去があります。
痔は「男性に多い疾患」というイメージがあるかも知れませんが、実は女性の方が多いというデータがあります。
特に「切れ痔」は女性に多く見られます。
ここではそんな切れ痔について
- 症状・原因・治療
- 出血やかゆみがある場合の対処
- 切れ痔はすぐに病院に行った方が良いのか?
という流れで説明していきましょう。
オススメの市販薬について!
筆者は市販薬を飲み始め一ヶ月半くらいで、気づくといぼ痔も切れ痔も治っていました。
塗り薬も使っていましたが、私の痔に内服は効果抜群でしたので、それも含め以下で紹介しています。
切れ痔の症状とは?
日本は「痔疾患」大国と言われています。
痔疾患には
- 切れ痔
- いぼ痔(痔核)
- 痔瘻(じろう)
の三種類がありますが、これらを全部合わせると日本人の3人に1人は、一生のうちに一度は痔の自覚症状があってもおかしくないとされています。
また、いわゆる「隠れ痔」と呼ばれる “軽度で無自覚症状の痔疾患” の場合は、日本人のおよそ7割が痔を持っているとも言われています。
国民の1割以上に発症する病気を「国民病」と呼んでいますので、痔疾患もれっきとした国民病ということになります。
中でもいぼ痔と切れ痔は発症率が高いのですが、割合を見てみると
■いぼ痔
⇒男女とも一番多い
■切れ痔
⇒女性に多い
■痔瘻(じろう)
⇒男性に多い
このように、切れ痔は特に女性に多く見られるのです。
自覚症状は?
切れ痔というのは読んで痔のごとく「肛門が切れる(または裂ける)」という病状です。
したがって自覚症状としては
- 出血(鮮血)
- 血便
- かゆみ
- 排便時や座ったときの痛み
などが挙げられます。
特に排便時には強い痛みを感じるため、排便を我慢して「慢性便秘」を合併するケースも多いです。
切れ痔は大きく2種類!
なお、「切れ痔」には
- 内側が切れるタイプ
- 肛門側が切れるタイプ
があります。
内側が切れると、便に触れるため治りが悪くなり、慢性化しやすくなります。
ただし、筋肉組織であり多くの神経が通っている “肛門” が切れる「外側の切れ痔」の方が、出血量は多くなる傾向にあります。
ちなみに、切れ痔の場合は「トイレットペーパーに血が付く」程度ですが、
- 便器にポトポトと血が落ちる
- 出血の勢いがすごい
という場合は、いぼ痔からの出血の可能性もあります。
※いぼ痔にも、「内側のいぼ痔」「外側のいぼ痔」があります
参考ページ!
>>いぼ痔の症状・原因・治し方と薬!痛い・かゆみ・出血時の対処<画像/写真>
ただし、「痛み」を伴う場合は切れ痔が多いと言われます。
このため、いずれにしろ出血している場合は、まずは肛門科(なければ皮膚科)を受診するようにしましょう。
では続いて
「切れ痔の原因」について説明しましょう。
切れ痔の原因は?
切れ痔最大の原因は
- 慢性便秘
⇒便が硬くなり、排便時に直腸や肛門を傷つけてしまう
- 下痢
⇒便の回数が増えるため「直腸粘膜が弱まること」と「お尻の拭きすぎ」で肛門が切れてしまう
という2つです。
では、なぜ女性には切れ痔が多いのでしょうか?
女性に切れ痔が多い理由は?
女性に切れ痔が多い理由は、
- 便秘
- 出産
- 性行為
が影響しています。
女性に多い理由@:便秘
女性の場合はもともと慢性便秘を抱えている人が多いです。
特にダイエット等で食事量が少ない場合は、腸管内が刺激されないため便秘を引き起こしやすくなります。
便秘では水分の少ない硬い便が出てくるため、肛門や直腸を傷つけ切れ痔を起こすケースや悪化させるケースが多くなります。
女性に多い理由A:出産
出産時や便の出が悪い時、強く「いきむ」ことで肛門の外側が切れやすくなります。
女性に多い理由B:性交渉
性交渉の際にあまりに激しい行為をすると、膣側に傷がつきます。
その影響で粘膜が弱まり、直腸側が弱くなって裂けやすくなります。
こうした事情により、女性は男性よりも切れ痔の割合が多くなるのです。
男性の場合は?
男性の場合も、
- 肛門を使った性行為(男性同士の性交渉など)
- 座りっぱなしの仕事
などで切れ痔を起こす人はおりますが、女性ほどではありません。
ただし女性よりは下痢をしやすく、下痢を繰り返すことによって切れ痔になる可能性は十分ありますので、その点は注意が必要です。
参考ページ!
>>下痢が続く原因と病気!黒い・緑色・血便(赤い出血)・白い・水っぽい理由
上記以外に考えられる理由
上記以外には
- 乾燥肌の人
- 皮膚の抵抗力が不安定なアトピー性皮膚炎の人
- 運動不足や肥満の人(血流障害を起こしやすく、また慢性便秘を発症しやすい)
などが考えられるでしょう。
では続いて
「切れ痔の治療」について説明しましょう。
切れ痔の治療とは?
切れ痔の治療は、基本的に
保存的治療
です。
これにより、約75%の人は改善すると言われています。
切れ痔の「保存的治療」とは?
切れ痔の症状に対し、以下の様に薬で対処します。
■出血している場合
- 傷を治すための軟膏
- 血を止めるための服用薬
■痛みが強い場合
- 痛みを抑えるための鎮痛剤服用・座薬
- 便が硬い場合は、軟らかくするための薬
なおこの時、急性の切れ痔(急な切れ痔の場合)は最低でも3週間は薬を続けましょう。
また慢性化している場合は、症状が消えても2、3ヶ月は薬を使い続けましょう。
薬以外には?
「薬」以外に考えられる保存的治療としては、以下が挙げられます。
清潔にする
内側の切れ痔、外側の切れ痔、いずれも裂肛部を清潔にすることで治りが早くなります。
そのため排便後は温水便座などで内側まで洗浄して、便を残さないようにしましょう。
下半身の血流を良くする
日常的に仕事などで同じ姿勢を保つ場合、血流障害で治りが悪くなる場合があります。
「10分おきに歩き回る」「スクワットをする」などして、下半身にも十分な血流を保つようにしてください。
便秘の要因を取り除く
便秘が大きな原因となっていることは説明しました。
そのため、便秘の要因となりうる
- 運動不足
- 水分不足
- 食物繊維の不足
- 腹筋力の低下
- ダイエットによる食事量の減少
を解決することを考えましょう。
それ以外にも・・・
後ほど説明する「出血やかゆみが見られる場合の対処法」でも、日々気をつけることを挙げています。
手術が必要な場合は?
上記のとおり、通常は投薬による治療(保存的治療)がメインとなります。
しかし、慢性裂肛と言う「慢性的な切れ痔」の場合は、手術が適用となる場合もあります。
切れ痔の傾向としては、外側が裂けている場合は一時的な「急性裂肛」であり、投薬治療で完治することが多いです。
そして内側が裂けている場合は、便の通過によって治りがわるくなり「慢性裂肛」になりやすいです。
そのため内側の切れ痔には手術が適用される場合も少なくありません。
切れ痔の手術をくわしく!
>>切れ痔・いぼ痔の手術内容と手術費用!手術後の痛みはいつまで?<体験談あり>
では続いて
「切れ痔に出血やかゆみが出た場合の、普段の対処法」について説明しましょう。
切れ痔に出血やかゆみが見られる場合の、普段の対処法
一度切れ痔になると、排便時の痛みと出血、かゆみなどをおぼえるようになります。
中でも「我慢できないほどの強いかゆみ」に襲われてかき過ぎると、症状を悪化させる恐れがあるため要注意です。
ここでは、切れ痔になってしまい
- 出血
- かゆみ
がある時の対処法について説明していきましょう。
出血への対処は?
まず大前提に、病院を受診したことが無い方は、肛門科もしくは皮膚科を受診しましょう。
特に黒ずんだ血が出ている場合は、大腸からの出血の可能性もあります。
また上でも説明のとおり、排便時の痛みがそれほど強くないにも関わらず出血量が多い場合は、いぼ痔の可能性もあります。
参考ページ!
>>いぼ痔の症状・原因・治し方と薬!痛い・かゆみ・出血時の対処<画像/写真>
では、切れ痔の出血時の対応について説明しましょう。
温める!
出血している場合は、とりあえず肛門を温めましょう。
お風呂で温めるのが早いですが、温めたタオルを肛門に当てるのでも良いです。
薬を塗ろう!
病院では「血を止める薬」「傷を治す軟膏薬」がもらえますが、まだ病院を受診していない方は、とりあえず市販の軟膏を塗りましょう。
外か中、どちから出血しているか分からない場合は、とりあえず両方に使える「注入軟膏」が便利です。
なお市販薬については、以下のページでまとめています。
>>いぼ痔と切れ痔が治ったのでオススメ市販薬を紹介してみる。ボラギノールは本当に効いたのか?
ワセリンを塗ろう
排便前後には「ワセリン」などを使って傷口を保護すると、雑菌が入り込みにくくなります。
また排便後に拭くときも滑りが良くなって、刺激・痛みを和らげることもできます。
女性の場合は生理用ナプキンを使おう
「生理用ナプキン」を使うことで、下着への汚れや傷口への過度の刺激を抑制することができます。
このため、痛みや出血、そしてかゆみ対策になります。
かゆみが強い場合には?
かゆみを感じている場合は
- 治りかけで神経が過敏になっているため、ちょっとした刺激でもかゆみを感じやすくなっている
- 便が残ってしまうとそこから炎症を起こしかゆみや痛みがでる
のどちらかだと考えられます。
どちらにしても掻きむしると傷口を広げてしまうことになりますので、以下の対処を取り入れ、極力掻かないように注意しましょう。
かゆみ止めを使う
ボラギノールのような市販の痔疾患薬を使うことをお勧めします。
痔疾患薬には「キシロカイン」などの局所麻酔成分が配合されているので、かゆみを一時的に抑えてくれる効果があります。
なお、かゆみに対しては「一般的なかゆみ止め(ステロイド軟膏)」を使うと、刺激の強さから症状を悪化させる可能性があります。
「痔の市販薬」の多くにもステロイドは含まれていますが、痒み止めとして使うのであれば、痔に特化した薬を使うようにしてください。
なお市販薬については、以下のページでまとめています。
>>いぼ痔と切れ痔が治ったのでオススメ市販薬を紹介してみる。ボラギノールは本当に効いたのか?
洗い方に注意する
便が残ってしまうと炎症を起こし、かゆみや痛みがでるので、しっかりと拭き取り、入浴時にはシャワーで洗い流すようにしてください。
洗い流すときにやってはいけないことが「石鹸などの洗浄剤を使う」ことです。
洗浄剤を使うのは清潔を維持するのには効果的に思えますが、洗浄成分が必要な皮脂や粘膜まで洗い流してしまうため、傷口が乾燥してかゆみが強くなります。
したがって温めのお湯で洗い流し、内側は洗い流した後にワセリンなどをつかって保湿しておくようにしましょう。
なお、温めすぎると血流が増しかゆみや痛みが増しますので、洗うときはぬるま湯程度にしておくと良いと思います。
冷やす
どうしてもかゆみが強いときは、絞ったタオルなどで冷やすとある程度かゆみが治まります。
衛生状態を保つ
下着が汚れてしまった場合はこまめに交換して、極力創部の衛生状態を保つようにしてください。
では最後に
「切れ痔はすぐに病院に行くべき?」についてです。
切れ痔はすぐに病院に行くべき?
切れ痔は肛門の外側、あるいは内側が裂けてしまい出血している状態です。
また排便時には強い痛みを感じますし、座りっぱなしや立ちっぱなしの仕事の場合は下半身への血流が悪くなり治りが遅くなります。
場合によっては大腸からの出血の可能性もあります。
したがって、肛門から出血がみられる場合は、とりあえず病院に相談するようにしてください。
市販薬でも対処は可能ですが、専門医にちゃんと診断してもらい、切れ痔の程度を把握した上で適切な治療を受けた方が、治りも早いでしょう。
ちなみに筆者は、
- 「恥ずかしい」という気持ち
- いぼ痔としての症状は強かったが、出血はほんの少ししかなかった
という理由から病院に行かずに市販薬で治しましたが、一般的には病院に行く方が良いです。
切れ痔を把握するポイント!
切れ痔を把握するポイントとしては
- 下着に血の跡がついている
- 排便時に強い痛みを感じる
- 入浴後などお尻が温まるとかゆみを感じる
- 便に血が混じっている
- 排便後に鮮血が出ることがある
などです。
女性の場合は生理と間違いやすい、というより「生理と思いたがる」節がありますが、排便時に痛みを感じる場合は、ほぼ「切れ痔」ですので、早めに病院に相談するようにしてください。
受診するのは「肛門科」が専門になりますが、近所に肛門科がない場合は「皮膚科」でも受診可能です。
さいごに!
「肛門を見られるのは恥ずかしい」という理由から、病院に行かない方も多いと思います。
しかし、基本的には病院を受診してください。
ちなみに筆者は最終的には「市販の飲み薬」で治しました。
「どうしても病院に行く時間が無い!」という方は、筆者のように市販薬での対処も考えましょう。
>>いぼ痔と切れ痔が治ったのでオススメ市販薬を紹介してみる。ボラギノールは本当に効いたのか?
オススメ関連記事!
>>切れ痔・いぼ痔の手術内容と手術費用!手術後の痛みはいつまで?<体験談あり>
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