副鼻腔炎(蓄膿症)で熱や微熱が続く… 下がらない時は解熱剤を使う?

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副鼻腔炎(蓄膿症)で熱や微熱が続く… 下がらない時は解熱剤を使うべき?

このページでは、

 

  • 副鼻腔炎(蓄膿症)の時に熱や微熱が出る原因は?
  • 熱が下がらないときの対処は?
  • 解熱剤は使うべき?

 

というテーマについてわかりやすく説明しています。

 

余談ですが!

「副鼻腔炎と蓄膿症の違い」について簡単に触れておきます。

副鼻腔炎というのは、鼻の周りにある「副鼻腔(ふくびこう)」と呼ばれる空洞で炎症を起こすことです。

この状態が3ヶ月以上続くと「慢性副鼻腔炎」という呼び名になるのですが、この時に副鼻腔に膿が溜まっているものを「蓄膿症」と呼んだりします。

ただし今現在、副鼻腔炎≒蓄膿症として扱われていることが多いので、この2つの言葉の違いはあまり意識しないでも大丈夫だと思います。

 

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副鼻腔炎(蓄膿症)の時に、熱や微熱が出る原因は?

あら奥さん!具合が悪そうだけど大丈夫!?

蓄膿症を患ったんだけど、なぜか熱まで出てきて・・・

蓄膿症も「炎症性の病気」だから、熱を発することがあるわよ。

えっ!そうなんだ・・・
熱が出る理由を簡単に教えてちょーだい!

 

 

ということで、熱や微熱が出る原因をできるだけ簡単に説明していきましょう。

 

 

副鼻腔炎(蓄膿症)で熱が出る原因は大きくわけると2つ考えられます。

 

 

1.風邪の延長から副鼻腔炎を患っている場合

副鼻腔炎はもともと

 

  • 風邪
  • インフルエンザ

 

など、感染症の延長から発症することが多いです。

 

そのため「副鼻腔炎で熱が出た」というよりは、「風邪などの感染症で発熱し、その中で副鼻腔炎を合併した」というケースが考えられます。

 

 

2.炎症部からの発熱の場合

蓄膿症は、再発を繰り返しやすい「炎症性の疾患」です。

 

そもそも蓄膿症の正式な病名は

 

慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)

 

と言います。

 

病名で「○○炎」とつくのは、「炎症」を起こすタイプの病気であるということを意味しています。

 

では、炎症とはなんなのでしょう?

 

これは、

 

「病気と免疫システムとが戦っている証拠」

 

と考えればわかりやすいかもしれません。

 

炎症性疾患といえば、他にも代表的なものとしては「感染症」や「アレルギー」があります。

 

 

蓄膿症の場合は、原因が「感染症」もしくは「アレルギー」だよね。

そうよ。
わかりやすく、感染症として最も有名な「風邪」を例として説明するけど、蓄膿症と風邪では原因が違うだけで、発熱のメカニズムは同じだわ。

 

 

ということで、もっともポピュラーな感染症である「風邪」を例にして、「炎症性疾患と発熱の関係」を説明していきましょう。

 

ご存知の通り、「風邪」とは風邪ウィルスが鼻粘膜にとり付くことで発生します。

 

人の粘膜組織には高度なセンサー能力があるため、“ウィルスなどの病原菌” や “アレルゲン” などの物質がとりつくと、それを察知して脳に指令を送ります。

 

次に「異物」が取り付いたと連絡を受けた脳は、免疫システムに指示を出し、異物への攻撃を仕掛けます。

 

具体的には、

 

  • マクロファージ
  • 活性酸素
  • キラー細胞

 

などなど、「異物を取り込んで無害化させる免疫細胞」を大量に感染部位に送り込みます。

 

そして最終的には、その病原菌の専用攻撃チームである「抗体」を作り出して撃退しようとします。

 

しかしもちろん、ウィルス側も黙ってやられているわけではありません。

 

免疫細胞に対して激しく反撃をおこないます。

 

この時、感染部位では大量のエネルギー消費が行われるために、一時的な高熱が発生します

 

そうすると今度は、「熱が出ているから沈静化をしてください」という指令が、粘膜組織を通じて脳に送られます。

 

しかし、免疫システムとウィルスとの戦いが激化すると、熱を鎮める作用が追いつかなくなります。

 

その結果、自律神経が一時的に機能混乱をきたし、全身が発熱するようになります。

 

これが「風邪」における発熱のメカニズムです。

 

この発熱メカニズムは他の「炎症性疾患」でもほぼ同じであり、違いはと言えば “原因” になります。

 

 

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の場合は?

では、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の場合はどうでしょう?

 

実は蓄膿症の原因は明確にはされていません。

 

蓄膿症は、

 

  • アレルギー
  • 感染症
  • 自律神経の異常

 

などで、鼻の奥にある「副鼻腔」と呼ばれる部位に慢性的に膿がたまる病気です。

 

膿は “免疫細胞の死骸” なので、副鼻腔内の免疫組織が「なんらかの原因で暴走している」ということが考えらえます。

 

免疫が暴走するというのは、先に紹介した風邪の例でもわかる通り、そこで炎症が発生していることになり、熱を持つようになります

 

また、粘膜は重要な免疫のセンサー役なので、このセンサーに異常が発生することで炎症が止まらなくなります。

 

すると解熱が追いつかず、発熱を頻繁に起こすという仕組みになっているのです。

 

 

 

ここまでが「副鼻腔炎(蓄膿症)で熱が出る原因」でした。

 

では、熱がでた場合にどのように対処すれば良いのでしょうか?

 

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副鼻腔炎で熱が出た時の対処は?

熱が出る理由は分かったわ。
じゃあ、どう対処したらいいの?

そうね。
簡単に紹介するわ。

 

 

副鼻腔炎(蓄膿症)に限らず、「発熱」するというのは体の中で炎症という強い熱化学反応が起こっていることを裏付けています。

 

この時に下手に動き回ると、基礎代謝が上がりより多くの熱を必要とするため、体力の消耗が激しくなってしまいます。

 

そのため、対処法としては

 

  1. まずは熱が下がるまでの間は「安静」を心がけることが重要です。
  2. 痛みや発熱が強い場合には解熱剤を飲んで熱を下げるようにしましょう。
  3. 水分を多めに取り、体温が急に上がらないようにすることも効果的な対処法になります。
  4. 食事は消化に良くて、なおかつカロリーが高めのものを摂ると良いでしょう。

    アイスクリームやプリンなどの冷たいデザートは発熱時の栄養補給にも向いています。
    ただし、体を冷やすと「体温を維持しようとして代謝を上げる」ため、安静時は暖かくして体を冷やさないようにします。

  5. 全身から発熱している場合は、おでこや脇の下などを冷やすと早めに体温が下がります。

 

などの方法が挙げられます。

 

なお急性タイプの副鼻腔炎では、一時的に強く症状が出ることから発熱している可能性もあります。

 

耳鼻科ではとりあえず抗生物質が処方されますので、再発しないように指示された分はしっかりと飲みきるようにしましょう。

 

 

また蓄膿症として慢性化しており、微熱が続いている場合は蓄膿症を完治させなければ根本的な解決になりません

 

 

副鼻腔炎(蓄膿症)の対処方法としては、以下のようなものがあります。

 

蓄膿症の対処方法

筆者自身が長年副鼻腔炎に悩んでいたため、経験談も含めて以下にまとめています。

 

 

市販の薬を使う

チクナインをはじめとした市販薬を使用してきたので、オススメを紹介しています。

 

>>副鼻腔炎,蓄膿症に効く市販薬・漢方ランキング!

 

 

ツボ押しをする

ツボ押しは気休め程度かもしれませんが、普段から押すクセをつけていれば多少なりとも効果があると思います。

 

>>副鼻腔炎・蓄膿症に効く12のツボ!指圧とマッサージで効果UP!

 

 

なた豆を摂取する

なた豆に含まれる「カナバニン」「コンカナバリンA」という成分が、ムズムズやドロドロに良いとされています。

 

筆者は漢方等を飲んできましたが、最終的にはなた豆茶に行き着きました。かなりオススメです。

 

>>なた豆茶の効能・効果!蓄膿症(副鼻腔炎)・鼻炎・腎臓に◎!

 

 

鼻うがいをする

「鼻うがい」とは鼻から水を吸って、口もしくは鼻から吐き出すうがいです。

 

食塩水を使ったり、専用液を使うとまったく「ツーン」とした痛みがありませんので、ぜひトライしてみてください。

 

>>ハナノア・ハナクリーンS(EX)・ナサリンを使い比べてみた!オススメ鼻洗浄器と使い方・コツ!

 

 

 

では最後に、
「副鼻腔炎の熱に、解熱剤は使うべきか?」という点についてです。

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副鼻腔炎(蓄膿症)の熱と解熱剤

解熱剤は使ったほうが良いの?

そうね。
ただ解熱剤を使ったからと言って、蓄膿症が治るわけでは無いわよ。

 

 

上でも説明のとおり、蓄膿症の時に熱が出るのには大きく2つの原因があります。

 

もし風邪などの感染症で熱が出ているのであれば、無理に熱を下げようとせず、体の熱で体内の菌が殺菌されるのを待っても良いでしょう。

 

次に「急性期で炎症が強く、熱が出ている場合」は、炎症を抑えるという意味でも飲むと効果があるでしょう。

 

発熱と同時におこる症状として、「痛み」があります。

 

つまり、炎症と痛みはセットなのです。

 

体のどこかで「痛み」が起こっている場合は、そこで「炎症」という熱化学反応が起こっていると考えて差し支えありません。

 

だから、

 

  • 痛み止め(鎮痛剤)
  • 解熱剤

 

の2つは、同じ薬の分類(消炎鎮痛剤)になるのです。

 

解熱剤(痛み止め)とは、一種の神経毒です。

 

「痛み」や「炎症による異常」を脳に伝える神経を一時的に麻痺させて、断続的に「炎症」が起こるのを防ぐ目的で投与されます。

 

「解熱剤」には幾つかの種類があり、体質によって合う薬だとすぐに効果を発揮してくれるため、とても意味のある薬と言えるでしょう。

 

ただし、薬の種類によっては強い「副作用」をもたらす場合があります。

 

副作用の例

  • 消化器症状(吐き気、嘔吐、胸焼け、胃のもたれなど)
  • 発赤、薬疹
  • 感覚麻痺
  • 意識消失
  • 眠くなる

など。(薬の成分によって違いがあります)

 

さらに市販の痛み止めでもそうなのですが、薬の成分が切れる前に連続して服用すると、次第に効き目が悪くなっていくというデメリットもあるのです。

 

これらのことから、解熱剤は用法・用量を守りきちんと服用する必要性があります。

 

また解熱剤は「対症療法」として投与される薬です。

 

対症療法とは病気を根治させる治療ではなく、表に出てきている症状を鎮めて回復を早めるという目的で行われる投薬治療のことです。

 

したがって、痛み止めで蓄膿症が治るわけではないということをしっかりと理解しておきましょう。

 

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さいごに!

副鼻腔炎や蓄膿症で熱が出る原因が分かったかしら。

だいたいわかったわ。
私の場合、恐らく蓄膿症の炎症からの発熱だから、早めに病院を受診するわ。

 

 

ということで、まだ耳鼻科を受診していない方は、早めに受診しましょう。

 

蓄膿症は慢性化すればするほど治りが悪いというのを、身を持って感じています。

 

なお、当サイトは私自身が長年にわたって鼻炎や副鼻腔炎、後鼻漏(鼻水が喉に流れる)に悩まされていたことがキッカケで立ち上げたものです。

 

治療体験などをわかりやすくまとめていますので、是非他のページも参考にしてみてください。

 

>>副鼻腔炎(蓄膿症)にオススメの薬と、私が蓄膿症を治した話

 

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