慢性胃炎の症状・原因・治療と薬<胃の痛みや胸焼けが治らない>
このページでは
- 慢性胃炎とは?
- 症状とは?
- 原因やメカニズムは?
- 治療と薬!
- 治すにはどうすればいいの?
という点をどこよりもわかりやすく!説明しています。
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慢性胃炎とは!?
胃炎とは「胃の粘膜」が荒れて炎症を起こし、痛みや違和感などが起こる胃腸の病気です。
この胃炎には、「慢性胃炎」と「急性胃炎」があります。
その違いはと言うと、
「急性胃炎が再発を繰り返すと、慢性胃炎に移行する」
とよく言われます。
「移行」というのは医学的に見た場合、
関連性はありますが病気としては全くの別もの
です。
同じ「胃炎」ですので、「急性胃炎が長引いて慢性化したら慢性胃炎になる」と思われがちですが、そうではありません。
実は
- 完治するのが「急性胃炎」
- 完治が見込めない、あるいはなかなか治らないのが「慢性胃炎」
であり、症状や原因も異なってきます。
では、この「慢性胃炎」ではどのような症状が見られるのでしょうか?
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慢性胃炎ではどんな症状があらわれる?
慢性胃炎の具体的な症状としては
- 上腹部不快感
- 胃部膨満感
- 食欲不振
- 胃のもたれ
- 胸焼け、悪心
- 胃痛
- 吐き気、嘔吐
などがみられます。
症状的には「急性胃炎」と良く似ているのですが、これらのいわゆる「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれる症状が、長期化する傾向があります。
※不定愁訴とは、何となく体調が悪いけども、その原因となっている病気が見当たらない状態を言います
ただし、症状だけでは
- 急性胃炎
- それ以外の胃粘膜の病気
- 初期の胃がん
などとの識別は困難です。
なお、「慢性胃炎になるとなぜ自覚症状があらわれるのか?」という点は、まだ明確になっていない部分が多いとされています。
「え、病気だから何らかの症状があらわれるのは普通だよね?どういうこと?」
という声が聞こえてきそうですが、この点は次の「原因」で意味が分かってきます!
では続いて
「慢性胃炎の原因」について説明しましょう!
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慢性胃炎の原因とは!?
1982年に
「慢性胃炎は、胃粘膜に生息しているピロリ菌が原因である」
ということが発見されました。
このピロリ菌は、日本人の9割弱の人が感染していると言われています。
したがって、日本人の大半の人は慢性胃炎を発病する可能性があるということになります。
なお、急性胃炎の原因が
- 心身のストレス
- 消炎鎮痛剤や抗生物質などの薬剤
- 刺激の強い飲食物(香辛料、コーヒー、アルコール、脂っこい食事、味の濃い食事など)
- 食物アレルギー
- 食中毒、食あたり
- 感染症(インフルエンザや風邪など)
- 内臓疾患(肝臓、膵臓、腎臓、胆のうは特に注意が必要です)
である、ということと比較しても、「急性胃炎と慢性胃炎は別の病気である」という事がわかると思います。
ちなみに!1982年までは「加齢が原因」とされていた
胃の内部には「胃酸」が分泌されているのですが、胃そのものが溶かされないように、胃腺から分泌される「胃粘膜」によって保護されています。
しかし胃粘膜の機能が代謝不良で低下すると、胃壁を傷つけてしまいます。
加齢が原因となり代謝不良におちいると、胃粘膜の機能も下がってしまい、これらが原因で胃粘膜は荒れていき、慢性胃炎を発病する
という説が、当時の日本の消化器学会では主流を占めており、それが定義とされていました。
しかし、1982年にその定説を根底から覆す発見があったのです。
それが「ピロリ菌」の存在です。
このピロリ菌の発見によって慢性胃炎はピロリ菌感染症が長期化すると発病するということが次第に明らかになってきたのです。
この発見によって、加齢による代謝の落ち込みは、あくまでも「胃粘膜病変を加速させるきっかけにすぎない」という位置付けで捉えられるようになりました。
なぜ自覚症状があらわれるのか?
先ほど、「慢性胃炎でなぜ症状があらわれるのかが明確になっていない」というお話をしました。
「何を言ってるの?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明します。
人間には自然から授かった「ホメオスタシス(恒常性)」という能力があります。
「ホメオスタシス」とは簡単に言えば「慣れ」のことです。
身体内外の環境変化のスピードがゆっくりであれば、免疫機能や自律神経の働きがその変化に追いつき、環境変化に慣れて(適応して)しまいます。
つまり、ピロリ菌に感染したとしても、進行がゆっくりであればちょっとした不定愁訴は覚えるものの、胃炎とわかるような強い自覚症状が起こらないことが多いのです。
根本的な原因がピロリ菌への長期感染だとすると、ホメオスタシスが正常機能していれば、自覚症状もそれほど強くないハズです。
そのため、「ピロリ菌が原因」とわかった今でも「なぜ自覚症状が出るのか」がはっきりとしていない、ということです。
では続いて、
「慢性胃炎の治療」について説明しましょう。
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慢性胃炎の治療!
慢性胃炎の根本的な原因は「ピロリ菌感染症」です。
しかしピロリ菌には有効な抗生剤がないため、根治するには「ピロリ菌の除菌」以外にはありません。
しかし、
- 自覚症状がそれほど強くない
- ピロリ菌感染症が原因で死ぬということは極めてレアなケースである
という理由から、大半は症状に合わせた投薬を行いながら経過観察し、必要があれば除菌するというのが現代的な治療法になります。
ではどのような薬が使われるのでしょうか?
処方薬は症状に合わせて変わります!
自覚症状としては急性胃炎とほぼ同等ですので、処方される薬も同じ内容になります。
胃粘膜保護薬-1
胃の粘膜を保護し修復を助ける薬です。
処方薬には
- アルサルミン
- マーズレンS
- アスコンプ
- プロマック
などがあります。
胃粘膜保護薬-2
胃の粘膜を丈夫にする薬です。
処方薬には
- セルベックス
- ムコスタ
- ガストローム
などがあります。
なお、副作用が少ないのがメリットですので、軽度の胃炎時にも処方されます。
制酸剤
ゆっくりと胃酸を中和する薬です。
処方薬には
- 酸化マグネシウム
- マーロックス
- キャベジンU
などがあります。
鎮けい剤(抗コリン剤)
けいれん性の胃痛を鎮める薬です。
処方薬には
- ブスコパン
- コリオパン
- チアトン
- コランチル
- メサフィリン
などがあります。
ムスカリン拮抗薬、抗ガストリン薬
胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の治りを早くします。
処方薬には
- ガストロゼピン
- プロミド
などがあります。
H2ブロッカー
強力に胃酸の分泌を抑制する薬です。
処方薬には
- タガメット
- ザンタック
- ガスター
- アシノン
- プロテカジン
- アルタット
などがあります。
胃炎や胃潰瘍など、胃粘膜病変時には定番の薬です。
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慢性胃炎を治すには、どうすれば良いの?
急性胃炎であれば、食生活の改善などで自然と治る可能性がありますが、慢性胃炎の場合はそうではありません。
慢性胃炎はそもそも「完全に治ることはあまり無い」と言われている病気なのです。
そのため、基本は症状にあわせて薬を処方する「対処療法」によって症状を抑えます。
なお、似たような症状がおきる病気には
- 急性胃粘膜病変(胃炎+胃潰瘍)
- 初期の胃がん
- 逆流性食道炎
- 胃酸過多
などがあり、胃の痛みや違和感には恐ろしい病気も隠れています。
「いつもとちょっと違うかな・・・?」と思う方は、あわせて以下もご確認ください!
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