食あたり(食中毒)とは?症状と発症時間、原因となる食事、対処と薬

食あたり(食中毒)とは?症状と発症時間、原因となる食事、対処と薬

やばい・・・ 下痢と嘔吐が止まらないわ・・・

食あたり(食中毒)かもしれないわね。
昨日何食べたの?

色々と食べたわ。
原因となり得る食材と、対処方法を教えてくれないかしら・・・

 

 

ということで、このページでは

 

  • 食あたり(食中毒)とは?
  • 原因となり得る食べ物と、発症時間、病原菌の種類!
  • 対処と整腸薬、処方される薬について

 

というテーマでわかりやすく説明していきます。

 

なお、本記事はあくまでも参考にして頂き、最終的には医者や薬剤師に相談してください。

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食あたり(食中毒)とは!?

そもそも「食あたり」ってなに?「食中毒」となにか違うの!?

そうね。症状の話と合わせて簡単に説明するわね。

 

 

傷んでいるもの、腐っているものを食べてお腹を壊す。

 

これを「食あたり」と呼ぶ人が多いですね。

 

しかし、一方で「食中毒」という言葉もあります。

 

食あたりと食中毒ではどう違うのでしょう?

 

結論から言えば

 

「食中毒」は医学的にもつかわれている症状名

 

です。

 

そして「食あたり」はその俗称ということになります。

 

つまり、食中毒は医学用語であり、食あたりは医学用語ではないのです。

 

それ以外では大きな違いはありませんので、「食中毒」の一般的な呼び名が「食あたり」と考えて良いでしょう。

 

では具体的な症状をみていきましょう。

 

 

食あたり(食中毒)はどんな症状があらわれる?

食あたりの具体的な症状としては

 

  • 腹痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢
  • 全身の悪寒
  • 発熱
  • しびれ
  • 意識障害
  • 心不全

 

などが挙げられます。

 

※後ほど説明しますが、原因となる菌によって症状にも違いがあります

 

食あたりによる「頭痛」「発熱」に特にお困りの方は、「食あたり(食中毒)で熱・頭痛がする原因と対処!うつるタイプを知ろう!」で詳しくまとめていますので、こちらをご確認ください!

 

「食あたり」というと軽い病気のように聞こえますが、場合によっては命に関わることもあるので十分な注意が必要です。

 

一般的に、食あたりは夏場に多く発生する傾向があります。

 

なぜなら、食あたりをもたらす原因としてもっとも多いものが「食べ物に付着している病原菌」によるものだからです。
(食中毒全体のおよそ7割)

 

こうした病原菌は “高温多湿を好む” ために、夏場に発生することが多くなるのです。

 

しかしノロウィルスのように冬場に多発する病原菌もあるため、一年を通して注意するようにしましょう。

 

 

では続いて
「食あたり(食中毒)が発症するまでの時間」について説明しましょう。

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食あたり(食中毒)が発症するまでの時間と、疑われる食事!

一昨日くらいに “生もの” を食べたんだけど、それが原因なのかしら・・・

食あたりを引き起こす菌には、色々なタイプがあるのよ。

 

だから、原因となる菌ごとに

 

  • 発症までの時間
  • 症状の特徴
  • どんな食事に含まれているのか

 

を一つずつわかりやすく紹介していくわね。

 

 

ということで、ここでは原因菌ごとに

 

  • 食あたりが発症するまでの時間
  • 原因菌が含まれる食べ物(食事)
  • 症状の特徴

 

について説明していきたいと思います。

 

ちなみに、一般的な食あたりには大きく2タイプあります。

 

1.感染型
「食あたりを引きおこす病原菌が増えた食べ物」を食べることで発病します。

2.毒素型
食品内で増えた菌が毒素を発し、それを摂取することで発症するタイプです。

 

※これ以外にも「フグ毒、毒キノコ、ヒ素」などによる食中毒もありますが、一般的に少ないため、このページでは説明を省いています

 

 

1.「感染型」の主な菌と、発症までの時間

 

 

カンピロバクター菌

感染してから1〜7日ほど潜伏します。

 

鶏肉に寄生していることが多い病原菌です。

 

主な症状として

 

  • 腹痛
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 腹部膨満感

 

などが主な症状です。

 

 

腸炎ビブリオ菌

潜伏期間はおよそ30分ほどと、かなり短いことで知られています。

 

生の魚介類が主な感染経路です。

 

  • 激しい腹痛
  • 下痢
  • 嘔吐
  • しびれ
  • チアノーゼ(唇が紫になるなどの症状)

 

などを起こすこともあります。

 

 

ノロウィルス

24時間〜48時間という非常に短い時間で発病します。

 

生の貝類(特に牡蠣)から感染するルートと、「感染者が調理したもの」あるいは「吐瀉物や排泄物に触れた手を、よく洗わないで他の人に接触したもの」が口に入ると感染します。

 

  • 激しい腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 発熱

 

を引き起こします。

 

 

リステリア菌

12時間〜91日間と潜伏期間にはかなりばらつきがあり、培養同定検査をしないと特定の難しい菌といえます。

 

乳製品や食肉からの感染が多くなります。

 

インフルエンザとよく似た症状(高熱、下痢、嘔吐など)を起こします。

 

免疫力の弱い高齢者、子供、妊婦などは重症化しやすいため注意が必要です。

 

 

ウェルシュ菌

潜伏期間は24時間以内(6〜18時間程度が多い)とされています。

 

食肉、魚介類、野菜など食品全般から感染することが確認されています。

 

軽い腹痛や下痢が多く比較的回復も早く、24時間以上経過して症状が落ち着いてきたら「回復期」に入ったと判断されます。

 

 

腸管出血性大腸菌(O-157など)

潜伏期間は3〜9日間ほどです。

 

生肉や野菜などに付着した病原菌が大腸内で増殖していきます。

 

  • 出血を伴う下痢
  • 高熱

 

が主な症状です。

 

免疫力の低い人は合併症を起こして命の危険に直面することもあります。

 

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2.「毒素型」の主な菌と、発症までの時間

毒素型は「菌が発した毒素」によって感染するタイプです。

 

毒素型の場合は、病原菌によるものと、自然毒や化学物質によるものなどがあります。

 

現在では自然毒や化学物質による汚染食品はほとんど市場に出ておらず、健康被害についても報告されていないため、ここでは病原菌によるものを紹介していきます。

 

ちなみに、フグ毒のようにその生物が固有に有している毒素も、この「毒素型」に分類されます。

 

 

ボツリヌス菌

潜伏期間はおよそ4〜36時間です。

 

食肉、魚肉、缶詰、発酵食品、パウチ食品などから感染することが多くなります。

 

  • めまい
  • 頭痛
  • 多汗
  • 神経障害
  • 呼吸困難

 

などが起こります。

 

このように腹痛や嘔吐以外の症状でも、原因が食品にあれば「食あたり」という解釈になります

 

 

セレウス菌

30分〜6時間の潜伏期間を経て発症します。

 

パスタ類、食肉を使ったスープなどから感染するとされています。

 

下痢あるいは嘔吐のどちらかが現れることが多いのですが、潜伏期間が短いと嘔吐を起こすことが多いようです。

 

 

ブドウ球菌

2〜4時間など短い潜伏期間で発症します。

 

おにぎりや調理されたサンドイッチ、弁当などの調理時に、人から食材に付着することで増殖します。

 

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 筋肉痛

 

などが現れますが、24時間以内に回復することがほとんどです。

 

 

ちなみに!

「感染型」と「毒素型」はどう違うのか?

ここまでの説明で病原菌が原因なら「感染型」と「毒素型」は同じじゃないの?という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

確かに紛らわしいですが、厳密に言うとこの両者は違いがあります。

まず、潜伏期間は毒素型に比べると感染型は発病までに要する時間が24時間以上かかるものもあり、平均的に長くなります。

では、どうして毒素型の方が感染型よりも潜伏期間が短いのかといえば、

 

  • 感染型

    ⇒食品の付着している病原菌が人の体内で増殖して悪さをする

  • 毒素型

    ⇒食品に付着した細菌が食品のタンパク質で増殖し毒素を出す

という違いにあります。

つまりすでに毒素を出している「毒素型」の方が、潜伏期間が短くなるのは自然なことなのです。

一方の感染型の方が、病原菌自体が「人の細胞内」で増殖するタイプです。

だから人の体内に入ってから増殖し始めるため、毒素型に比べて潜伏期間が長くなりがちになります。

この違いが「感染型」と「毒素型」を区別する際の一つの目安になります。

 

 

対処と整腸薬、処方される薬について

色々な食べ物が原因となりうることは分かったわ。
じゃあ、もし感染してしまったらどうしたらいいの?

O-157のように悪化すると死亡してしまうケースもあるから、食中毒は軽く見てると危険だわ。
対処や治療薬について説明するわね。

 

 

食あたりは、軽く見ないことが重要です。

 

一つの目安として

 

  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 激しい下痢

 

のいずれかが出ている場合には、速やかに消化器内科を受診するようにしましょう。

 

しかし、腹痛がない、便が少しゆるい程度ならば

 

脱水に注意して安静にしながら様子を見る

 

ようにします。

 

中には感染が拡大するケースもあるので、不必要な外出は避けた方が良いでしょう。

 

 

症状ごとの対応について!

 

下痢の場合

自宅でできるケアとしては、「ビオフェルミンやミヤリサンなどの市販の整腸剤」を使用してみましょう。

 

 

この時、治療薬としての下痢止めはかえって悪化させることもある(※)ため、安易に服用することはあまりお勧めできません。

 

※身体に毒素が回るため、症状が悪化することがあります

 

安静+整腸剤で1〜2日経過して状態が良くなれば、あとは普通に生活しても大丈夫です。

 

下痢の時は、水分が大量に体から出て行ってしまうため、こまめな水分補給は欠かさないようにしてください。

 

また水分補給時には真水か軟水、または冷たくないスポーツドリンクや経口補水液を使うようにしてください。

 

硬度の高いミネラルウォーターは消化に悪い鉱物(ミネラル成分)を多く含んでいるので胃腸に負担がかかります。

 

 

嘔吐がひどい、水も飲めない場合

脱水している可能性があります。

 

重症の脱水の場合は、点滴で補液を注入するのが一番効果的です。

 

したがってこの場合は受診するケースとなります。

 

脱水を放置していると命に関わる場合もあるので注意してください。

 

 

吐血している場合

嘔吐を繰り返すと食道が裂ける場合があります。

 

この状態をマロリーワイス症候群と言います。

 

緊急手術が必要な場合もありますので、緊急で診察を受けるようにしてください。

 

 

血便が出ている場合

血便(特に黒いドロッとした便)が出ている場合には、入院して治療する必要性があるケースも多いです。

 

放っておかず、しっかりと治療を受けるようにしてください。

 

 

腹痛が激しい場合

感染性腸炎や毒素型腸炎では、投薬治療が必要となるケースが多いです。

 

まず、食あたり(食中毒)かな?と思えるような心当たりがあり、腹痛がある場合はできるだけ速やかに治療を受けるようにしてください。

 

精査が必要な場合もあります。

 

 

呼吸が苦しい場合

ボツリヌス毒素やフグ毒などの「毒素型」では、神経伝達が阻害されて呼吸筋が動かなくなることがあります。

 

この結果として、呼吸停止を起こしてしまう可能性が高いので十分な注意が必要です。

 

しかし、呼吸不全が起こった場合は自分で緊急対応することが困難です。

 

周囲の人が気づいたらすぐに救急車を呼んで、救急隊の指示にしたがって人工呼吸等の救命処置を行うようにしてください。

 

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処方薬について

食あたり(食中毒)の際に処方される、代表的な薬を紹介しましょう。

 

 

整腸薬

腸内細菌のバランスを整える薬です。

 

後ほど説明する「抗菌薬」とともに処方される場合も多く、その場合は「耐性乳酸菌製剤」が使われます。

 

主な商品名(薬名)として

 

  • ビオフェルミン(R)
  • ミヤBM

 

などがあります。

 

 

抗菌薬

細菌性の食中毒に処方されます。

 

※上で説明した「感染型」「毒素型」は、ともに細菌性の食中毒です。

 

病態によっても変わりますが、一般的には整腸薬とともに処方されることが多いです。

 

「クラビット」などが有名です。

 

 

胃腸機能調整薬

消化管の運動を改善することで、胸焼けや吐き気、食欲不振などを改善します。

 

代表的なものとして

 

  • ナウゼリン
  • ガナトン

 

などがあります。

 

 

さいごに!

一言で「食あたり」「食中毒」と言っても、これだけ種類があるし、命の危険に繋がるものもあるわ。

そうだね。とりあえず病院を受診するわ・・・

 

 

食あたり(食中毒)の場合、一般的に下痢と嘔吐がセットであらわれることが多いです。

 

すると水を飲もうとしてもすぐに吐いてしまったり、下痢として流れ出るため、脱水症状を引き起こす可能性があります。

 

急激な胃腸症状があらわれた場合は、基本的には消化器内科を受診するようにしましょう。

 

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