急性胃炎の症状・原因・治療・薬とは!?急な「胃痛・胃もたれ・胸焼け」にご注意を!
このページでは
- 急性胃炎とは?
- 症状ってどんなの?
- 原因やメカニズムは?
- 治療と薬!
- 治すにはどうすればいいの?
という点をどこよりもわかりやすく!説明しています。
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急性胃炎とは!?
胃炎とは「胃の粘膜」が荒れて炎症を起こし、痛みや違和感などが起こる胃腸の病気です。
胃炎の中でも、何らかの原因で短期間のうちに炎症を起こし、自覚症状が出てしまうものを「急性胃炎」と言います。
ここでいう何らかの原因とは主に
- ストレス
- 刺激の強い飲食物
- 薬の副作用
などであり、「原因を取り除けばすぐに回復するものの、強めの自覚症状が出やすい」という特徴があります。
※原因は後ほど詳しく説明します!
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どんな症状があらわれるの!?
急性胃炎の具体的な症状には、
- みぞおち(上腹部)付近の痛み
- 胃部膨満感
- 悪心(ムカムカする)、胸焼け
- 胃のもたれ
- 吐き気、嘔吐
などがあります。
また炎症が強い場合には、以下のような症状を合併することがあります。
- 発熱
- 吐血
- 下血(血便ではなく、血液を排出すること)
- 胃粘膜のびらん(慢性胃炎に移行しやすい状態です)、および瘢痕化
- 一時的な潰瘍(胃粘膜の深くまで炎症をおこすこと)
などなど
では続いて
「急性胃炎の原因やメカニズム」について説明しましょう。
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急性胃炎の原因やメカニズムとは!
急性胃炎の原因を挙げていきましょう。
なお、主に「食生活やストレス」など生活習慣に根ざしたものの割合が多いという特徴があります。
- 心身のストレス
- 消炎鎮痛剤や抗生物質などの薬
- 刺激の強い飲食物(香辛料、コーヒー、アルコール、脂っこい食事、味の濃い食事など)
- 食物アレルギー
- 食中毒、食あたり
- 感染症(インフルエンザや風邪など)
- 内臓疾患(肝臓、膵臓、腎臓、胆のうは特に注意が必要です)
などなど。
また原因は単独ではなく、合わさることで発症しやすくなります。
例えば、普段「刺激の強い食事」をしている人が、風邪をひいて総合感冒薬を服用した場合、「薬の副作用」と「日頃の刺激物」の影響で急性胃炎が発病する、といった様なことが起こり得ます。
原因はわかったけど・・・ メカニズムは?
上で挙げたとおり、主な原因は「食べ物やストレス」となっています。
ではそもそも、なぜ急性胃炎が起こってしまうのでしょうか?
わかりやすく説明しましょう。
まず急性胃炎とは、自覚症状を伴うほど胃粘膜に強めの炎症が起こるという病気です。
そもそも胃内部は、胃壁にある「胃腺」という器官から分泌される「粘膜(胃粘膜)」によって保護されています。
この「胃粘膜」には、胃酸や消化酵素(ペプシンというタンパク質を溶かす酵素)によって胃の細胞まで溶かされないようにする以下のような役割をもつ成分が含まれています。
- 胃酸を中和する
- 消化酵素の働きを弱める
- 胃内の「酸性〜アルカリ性」を調整する
そしてこの粘膜成分は、自律神経によってコントロールされてます。
そのため、ストレスなどが原因で自律神経の働きが悪くなってしまうと、胃粘膜の分泌においても、連動して正常に動作しなくなってしまいます。
そこに刺激物(食べ物や飲み物)やウィルスなどが加わると、さらに自律神経のバランスが大きく崩れてしまい、適切な量の粘膜成分を分泌できなくなってしまうのです。
こうして胃粘膜が荒れると、徐々に炎症がおこるため、胃粘膜病変(胃炎と胃潰瘍)が起こるのです。
では続いて
「急性胃炎の治療」について説明しましょう!
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急性胃炎の治療とは?
急性胃炎は原因を取り除けば症状もすぐに回復する病気なので、まずは原因を特定し、その原因に対する治療を最優先します。
繰り返し説明しているとおり、急性胃炎の最も大きな原因は
- 「ストレス」
- 「生活習慣の乱れ」
- 「暴飲暴食」
ですので、規則正しい生活を心がけ、刺激物の飲食やアルコール摂取を控えます。
軽度な胃炎であれば、これだけでも完治します。
症状が強い場合!
自覚症状が強い場合には、対症療法が行われます。
対症療法とは、あらわれている自覚症状に対応した治療法のことです。
たとえば
- 吐血や下血が認められる場合
⇒内視鏡を経由した止血剤の投与や止血処置を行う
- 吐き気や嘔吐があり食事が満足に摂れない状態のとき
⇒点滴による栄養補給を行う
などが挙げられます。
対症療法でもっとも一般的なのが内服薬の処方です。
処方薬は用途ごとに色んな種類がある!
処方薬について説明していきましょう!
急性胃炎は、
- 胃粘膜の異常
- 胃酸過多(胃酸が増えすぎること)
- 自律神経の異常
によって引き起こされる病気ですので、それら原因に応じた薬が処方されます。
胃粘膜保護薬-1
胃の粘膜を保護し修復を助ける薬です。
処方薬には
- アルサルミン
- マーズレンS
- アスコンプ
- プロマック
などがあります。
胃粘膜保護薬-2
胃の粘膜を丈夫にする薬です。
処方薬には
- セルベックス
- ムコスタ
- ガストローム
などがあります。
なお、副作用が少ないのがメリットですので、軽度の胃炎時にも処方されます。
制酸剤
ゆっくりと胃酸を中和する薬です。
処方薬には
- 酸化マグネシウム
- マーロックス
- キャベジンU
などがあります。
鎮けい剤(抗コリン剤)
けいれん性の胃痛を鎮める薬です。
処方薬には
- ブスコパン
- コリオパン
- チアトン
- コランチル
- メサフィリン
などがあります。
ムスカリン拮抗薬、抗ガストリン薬
胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の治りを早くします。
処方薬には
- ガストロゼピン
- プロミド
などがあります。
H2ブロッカー
強力に胃酸の分泌を抑制する薬です。
処方薬には
- タガメット
- ザンタック
- ガスター
- アシノン
- プロテカジン
- アルタット
などがあります。
胃炎や胃潰瘍など、胃粘膜病変時には定番の薬です。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
最強の「胃酸分泌抑制薬」です。
胃炎での処方は保険適用外ですが、H2ブロッカーでは効果が低い時や、
- 胃痛
- 胸焼け
- 悪心(吐き気)
などの症状が強い時には処方される場合があります。
処方薬としては
- オメプラロール
- タケプロン
- オメプラゾン
- パリエット
- ネキシウム
などがあります。
その他の薬
その他、処方される薬としては、胃粘膜の神経に麻酔的に作用して痛みを和らげる薬「ストロカイン」などがあります。
では最後に
「急性胃炎を治すためには?」について説明しましょう。
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急性胃炎を治すには、どうすれば良いか?
以上のとおり、急性胃炎はストレスや食生活と大きく関わりがあることがわかります。
そのため、まずは生活習慣の改善(暴飲暴食を辞めるなど)が最優先ではありますが、一時的な「胃もたれ」や「胸焼け」とは違いますので、3日ほど症状が継続するようであれば、早めに病院を受診しましょう。
あまりに症状が重い場合には入院が必要となることもあります。
なお、似たような症状がおきる病気には
- 慢性胃炎
- 急性胃粘膜病変(胃炎+胃潰瘍)
- 初期の胃がん
- 逆流性食道炎
- 胃酸過多
などがありますので、急性胃炎の時にはこれらの病気との識別診断や、合併の有無もチェックされることになります。
ちなみに「胃炎と胃潰瘍との違い」は、炎症部(潰瘍部)の欠損深度の違いです。(胃潰瘍の方が深くまで欠損しています)
と、言うことで、胃の痛みや違和感には、胃がんなどの恐ろしい病気も隠れています。
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