下痢が続く原因と病気!黒い・緑色・血便(赤い出血)・白い・水っぽい理由
あー 最近毎日下痢気味だぁ・・・
電車に乗った途端にお腹がギュルギュル・・・
当ページをご覧のアナタは、こういった下痢にお悩みだと思います。
実は下痢には
- 普段の生活習慣によるもの
- O-157のような「病原菌」によるもの
- ノロウイルスのような「ウイルス」によるもの
- 大腸がんのような「病気」によるもの
などなど、色々な原因がありますので、一筋縄でピタッと治すのもなかなか難しいものです。
しかし、当ページでは各原因についてできるだけ分かりやすくまとめているため、当てはまるものを見つけていただければと思います。
ということで、話の流れとしましては
- 「通常の便」と「下痢や軟便」の違いは、水っぽさ?
- 下痢のタイプについて!
- 下痢が続く原因@:生活習慣
- 下痢が続く原因A:病原菌
- 下痢が続く原因B:ウイルス
- 下痢が続く原因C:病気
- 下痢の色(緑・黒・赤・白)から考えられる病気!
- 下痢の対処法と、オススメの下痢止め!
という順にお話していきます。
ぜひ最後までお読み頂き、辛い「下痢生活」から抜け出しましょう!
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そもそも「下痢」とは?通常の便との違い
下痢の原因の説明の前に、そもそも下痢ってなんだろう?という点から説明していきます!
なるべく読みやすく、理解しやすい流れで書いていますので、ぜひこの機会に学んでみてください。
便ができるまでの流れ!
下痢はそもそも「便」の1つの姿ですので、まずは便が作られる流れを簡単に説明します。
「汚い!」と思わずに、1つの知識として是非覚えておきましょう!
@消化する
食事をすると胃と十二指腸で「食べ物の消化」が行われます。
これは「胃液」や「消化酵素」によって、食べ物が細かく分解されている段階です。
この段階ではまだ食べ物は体内には吸収されていきません。
A小腸で栄養が吸収される
細かくなった食べ物は「胆汁と膵液の混合液」と混ざり合い、体内に吸収される「栄養素」の状態になり、小腸から吸収されていきます。
人が一日に摂取する水分の平均量はだいたい3Lほどで、食べ物を消化するために分泌される胃液や胆汁は一日約6Lほど分泌されています。
つまり、毎日9Lもの水分が腸に流れ込んでいくことになります。
しかし、9Lもの水分が毎日肛門から排泄されているわけではありません。(毎日の便通の状態を見れば明らかですね)
胆汁によって分解された栄養素は、全て
- 水溶性(水に溶けるという意味)
- 脂溶性(油に溶けるという意味)
の物質です。
したがって、小腸から吸収される時にも水分は必要なので、流れ込んできた9Lの水分のうち7Lは小腸で栄養素と一緒に吸収されていきます。
B大腸でも水分が吸収される
こうして大腸に流れてきた
- 未消化の物質
- 水分(残り2L分)
が便となるのですが、この段階ではまだ塊ではなく水のような状態です。
便が大腸を移動しているうちに、残り2Lの水分が吸収されていき、99%の水分が再び体内に再吸収された上で、便の形になるのです。
とはいえ9Lのうちの1%ですので、90mlほどの水分が便には含まれていることになります。
これが「健康な便」です。
さらに便の水分量を細かく分析すると、健康な便は全体の60〜70%が水分とされています。
下痢とは?
「健康な便」は以上のとおりです。
健康と言われる「60〜70%」より水分量が少なければ “硬い便” となり
- 便秘
- 切れ痔
- 大腸憩室(炎)
などの原因となります。
逆に70%以上の水分がある場合は「軟便」であり、水分量が90%を超えると「下痢」になります。
つまり、軟便と下痢の違いは「水っぽいかどうか」です。
すでに説明したとおり、便は大腸を移動しながら水分が吸収されていくため、軟便〜下痢の人は
- 大腸の水分吸収機能が低下している
- 逆に、腸の動きが活発になりすぎて水分が吸収される前に便が移動してしまっている
といった理由で引き起こされています。
特に、大腸の活動が活発化して下痢を起こしている場合は、トイレに行く回数も増えます。
食中毒などの感染症は、腸内の病原菌をいち早く排泄しようとするために大腸が活発化するため、下痢になります。
ここまでが
「通常の便と、下痢・軟便の違い」でした。
続いては
「下痢の種類とタイプ」について説明しましょう。
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下痢の種類とタイプ
下痢には大きく「急性」と「慢性」があり、さらに4つのタイプに分かれます。
まずは大きなくくりとなる、急性と慢性の違いについてです。
急性の下痢とは?
「急性の下痢」は、
- 暴飲暴食
- 食あたり(食中毒)
などが原因で起こるもので、1日数回〜数十回も便意を催します。
消化器症状が2〜3週間以内に治るものが「急性」と呼ばれます。
「下痢が続くなぁ」という方でも、これくらいの期間であれば、この後説明する「急性」にあてはまる原因もきちんとチェックしてくださいね。
慢性の下痢とは?
「慢性の下痢」は、1日の便の回数は数回であっても、3週間以上続く場合であり、
- 機能性の下痢
- 病的な下痢
に分類されます。
機能性の下痢とは、生活習慣やストレスなどが原因で起こる下痢です。
電車やプレゼン前などに急に下痢になるのは「過敏性腸症候群」と言いますが、これも一応病気ではあるのですが、臨床的には「機能性の下痢」に含まれます。
一方の病的な慢性の下痢は、基礎疾患(たとえば大腸がんなど)が原因となって起こります。
下痢のタイプについて
続いては、4つの「下痢のタイプ」についてです。
このタイプによって、原因やメカニズムが異なってきます。
ただし1タイプだけで起こる場合よりも、いくつものタイプが複合的に重なって起こるケースの方が多くなります。
では、下痢をタイプ別に見ていきましょう。
浸透性下痢(しんとうせいげり)
上で説明した通り、大腸では柔らかい便から水分を再度吸収し、固形化していく働きがあります。
しかし、「浸透圧の高い食べ物※」をたくさん食べてしまうと、腸に再吸収されずに水分量の多い便が出来てしまいます。
※浸透圧の高い食べ物とは、キシリトールなどの糖アルコール、硬水のミネラルウォーター、脂肪分の高い物、オリゴ糖など
滲出性下痢(しんしゅつせいげり)
腸壁に炎症が起こると、炎症部の細胞や血管が破壊され、血液や血漿、血清タンパクや細胞液などの液体が浸み出してきます。
この滲出液の量が多いことで下痢になります。
分泌性下痢(ぶんぴつせいげり)
腸管からは分泌液が出ています。
毒素が体内に入り込むと、毒素を排泄するために分泌液の量が増え、下痢になります。
食中毒や食あたり(食物アレルギーなど)はこのタイプが多くなります。
腸管運動異常の下痢
上でも紹介した「腸の運動が活発になりすぎること」で起こる下痢です。
腸管の運動は「蠕動運動(せんどううんどう)」と呼ばれています。
この蠕動運動は病原菌やアレルゲンの進入、食物繊維の刺激などで活発になります。
以上が4つのタイプであり、いくつかのタイプが合わさって下痢になります。
例)食中毒の場合は「分泌性下痢+腸管運動異常の下痢」など
では続いて
「下痢が続く原因と病気」について紹介しましょう!
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下痢が続く!考えられる原因と病気とは!?
さて、ここまで前置きが長くなりましたが、ここから「下痢が続いている場合の原因・病気」を具体的に説明していきましょう。
大きく分けると
- 原因@:感染症以外のもの(生活習慣など)
- 原因A:病原菌が原因のもの
- 原因B:ウイルスが原因のもの
- 原因C:病気が原因のもの
の4つに分けられますので、1つずつ考えられる原因や病気、病原菌を挙げていきます。
@感染症以外に考えられる原因と病気
「下痢が続く」という場合に一般的に多い原因が、この「生活習慣」によるものです。
知らずしらずの間に「下痢の原因」となる行動を取っている可能性がありますので、要チェックです。
暴飲暴食
食事には大量の水分が含まれています。
消化器の能力の限界を超えて水分を摂取した場合には、吸収されずに下痢になります。
お腹の冷えによる下痢
お腹が冷えた場合、以下の3つの理由から下痢になるとされています。
@体温の低下を防ぐ
人間は体温が低下することで免疫力が下がります。(菌からの防御力が落ちます)
そのため「冷たいものを飲む・寒い場所にいる」などで体温が下がりそうな場合は、身体の冷えの原因となる「水分」を体外に排出しようとします。
A腸を動かして熱を作り出す
冷えているときは、お腹を温めるために腸が活発に動きます。
その結果、上で説明した「腸管運動異常」がおきて下痢に繋がります。
B消化機能が動作しない
平熱から結構下がると、消化器が上手く動作しなくなり、消化不良のまま排出されることになります。(下痢となる)
食物アレルギー
アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)をできるだけ早く排泄するために下痢が起こります。
この場合、上で挙げた
- 蠕動運動の活発化
- 分泌性下痢
- 滲出性下痢
が同時に起こります。
牛乳を大量に飲んだ時
牛乳に含まれている乳糖を分解する酵素が少ない人が牛乳を飲むと、乳糖が分解されずに大腸内に流れ込みます。
乳糖は浸透圧が高いため、腸内の水分を引き寄せ下痢の原因となります。
これを「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」と言います。
人工甘味料やオリゴ糖をたくさん食べた時
近年ダイエットにも良い糖分として「人工甘味料」「オリゴ糖」が人気ですが、これらも乳糖と同様に浸透圧が高く、腸内の水分を引き寄せて下痢を誘発します。
※キシリトールガムの「キシリトール」も代表的な人口甘味料であり、お腹が緩くなりやすいです
アルコールを大量に飲んだ時
アルコールには脱水作用があります。
腸の吸収能力を超えた量のアルコールを飲むと、アルコールの脱水作用によって
- 小腸から吸収されるべき水分
- 水に溶けている電解質(特にナトリウムやカリウム、クローム、マグネシウムなど)
が腸内に増え、脂肪や糖が分解されにくくなるので下痢の原因となります。
薬剤性の下痢
薬の副作用で気起こる下痢です。
薬の服用を中止すると下痢は解消します。
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A病原菌が原因となる下痢
腸内に病原菌が入り込んで感染症をおこし、急性腸炎となって下痢になります。
多くの場合は「急性」であり数日で完治しますが、中にはO-157やコレラのように重症化(嘔吐や下痢が続く)ケースもあります。
ここでは急性腸炎を引き起こす「代表的な病原菌」について簡単に説明します。
腸炎ビブリオ
生の魚介類に付着している病原菌です。
食後4〜96時間かけて潜伏し、発病すると激しい下痢や腹痛、血便などがみられます。
水分と電解質を点滴で補給しながら安静にする治療法がとられます。
サルモネラ菌
卵やその加工品、生肉(特に内臓類)に寄生しています。
食後半日から2日ほどで発病し、腹痛、下痢、発熱、嘔吐がみられます。
こちらも水分と電解質を補給しながら安静治療を行う治療法がとられますが、最近では善玉菌を補給する治療法も併用されます。
黄色ぶどう球菌
手をよく洗浄殺菌しないで調理した場合に感染することがあります。
傷がある場合は特に要注意です。
加熱処理で菌は死滅しますが、その時までに分泌されている毒素は分解されないため、加熱した食事からでも下痢は起こります。
主な症状としては下痢、腹痛、嘔吐になります。
カンピロバクター
生肉が原因で感染します。
食後2〜7日程度で発病し、下痢、嘔吐、発熱、腹痛、筋肉痛などが起こります。
この菌への感染が原因で、運動神経がおかされ「ギランバレー症候群」を発症するケースもあります。
※ギランバレー症候群とは?
何らかの原因で運動神経がおかされ、
「手足のしびれ、麻痺、不随意運動(意識とは無関係に体が動く症状)」
などが起こる難病です。
治療法は、ステロイド内服薬(プレドニンなど)の処方による対症療法がメインとなりますが、完治する治療法は確立されていません。
▼ここからは強力な毒素を持つ病原菌▼
O-157(腸管出血性大腸菌)
加熱処理されていない食材全般から感染する可能性があります。
食後12〜60時間で発病し、激しい下痢、腹痛、下血などが続き、命に関わる危険性の高い病原菌です。
ボツリヌス菌
「十分に殺菌されていない容器」などに入れて、食品を長期保存していると発生する病原菌です。
食後8〜36時間で発病し、下痢、嘔吐などの消化器症状に加え、麻痺などを起こす神経毒もあり、死亡するケースもあります。
コレラ
生の食材が原因となります。
食後2〜3日で激しい下痢と嘔吐が断続的に続きます。
なお、下痢が白い場合に疑うべき原因の1つです。
また、大量の下痢によって脱水症状を起こし死亡する例もあります。
セレウス菌
あらゆる食品から感染する可能性があります。
食後8〜16時間で発病し、下痢や腹痛を引き起こします。
死亡する例は稀ですが、集団で食中毒を起こしやすい感染力の強い病原菌です。
以上が「病原菌による急性腸炎」による下痢についてです
なお、このような毒素の強い病原菌に感染した場合は、
- 点滴による水分・電解質の補給
- 場合によっては腸洗浄
を行い、速やかに病原菌を排泄させる治療が取られます。
続いては
「ウィルスが原因となる下痢」について紹介します。
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Bウィルスが原因となる下痢!
続いては「ウィルス」が原因となる下痢についてです。
ノロウィルス
二枚貝を生で食べるのが主な感染経路です。
食後1〜2日を経て発病し、腹痛、嘔吐、激しい下痢が主な症状になります。
抵抗力の弱い老人や子供の場合死亡するケースもあります。
ロタウィルス
感染者からの接触感染で拡大します。
免疫力の成熟した大人の場合は、体力の低下や免疫力が低下している状態でないと発病しないタイプです。
しかし、免疫力が未熟な乳幼児は感染リスクが高まるので要注意です。
2〜4日の潜伏期間を経て発病し、下痢と嘔吐を繰り返します。
なお、重症の時は白っぽい下痢が出ます。
ウィルス性の場合の治療法も、補液による「水分・電解質」補給と、安静が基本的な治療法になります。
また二次感染を予防するために抗生剤が投与されるケースもあります。
C病気が原因となる場合の下痢
慢性の下痢の場合は、主に他の病気があり、それに合併する形で起こります。
では、下痢を引き起こす病気を挙げていきましょう。
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)
ストレスが原因で起こる下痢です。
電車の中や、プレゼン前の緊張で下痢を起こす場合、この病気の可能性があります。
検査を受けても原因が特定できないので、問診とストレスチェックなどから判断します。
確定診断後は消化器内科ではなく、精神科や神経科に転科することになります。
止瀉薬(下痢止め)、乳酸菌製剤などの腸機能を調整する対症療法が行われますが、心理療法などストレスを取り除く治療も同時に行われます。
こちらもお読みください!
>>過敏性腸症候群の症状と治し方(漢方・食事・ツボ) 診断は何科?
慢性膵炎(まんせいすいえん)
膵臓が萎縮していく原因不明の難病です。
インスリンと膵液(脂肪を分解する働きがあります)の分泌量が少なくなるため、脂肪分の多い下痢が慢性化します。
インスリン製剤と食事療法によって、膵臓の機能を少しでも維持する「保存的治療法」が第一選択肢ですが、完治は望めません。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
大腸(クローン病の場合は小腸も含む)に、原因不明の炎症が多発する進行性の病気です。
放置していると症状がどんどん進行し、下痢、ネバネバした血便、下血、腹痛などが繰り返し起こります。
重症になるほど、排便する回数が増えます。
難病の一つであり完治させる治療法はなく、
- 下痢止め
- ステロイド内服薬(プレドニンなど)
- 食事療法(低残渣食:繊維質や脂肪分の少ない食事)
が行われます。
大腸がん
近年、患者数が増加傾向にある「がん」であり、男女比では中高年の男性が多いという統計があります。
主に
- 暴飲暴食
- 高脂肪食
- 飲酒
- 喫煙
といった生活習慣が原因で発生すると言われています。
初期の段階では便秘と下痢が続きます。
目で見てわかるほどの血便や下血(鮮血)が混じるようになると、ステージが進行したサインとなります。
標準的な治療としては、
- 内視鏡で切除可能な腫瘍は切除して、ステージIIIまでは経過観察する
- それ以降になると開腹手術が適用される
といったものになります。
というのも、放射線治療と抗がん剤といった化学療法の効果は今の所それほど高くないからです。
早期発見できれば内視鏡手術で寛解※するケースが多いので、大腸がん検診は受けるようにしましょう。
※寛解(かんかい)とは治療が不要な状態まで回復するという意味です。
再発のリスクは残りますが、生活習慣の改善等でかなりの割合で再発させずに済ませることが可能です。
では続いて
「下痢の色から考えられる原因と病気」について説明しましょう。
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下痢の色(緑色・黒・赤・白)から考えられる病気や原因!
下痢の原因によっては、
などの色がつくことがありますので、それぞれの原因について説明しましょう。
下痢が緑色になる原因!
緑色の場合にはいくつかの原因が考えられます。
@青汁や緑黄色野菜などの緑の物、野菜サプリを摂取した場合
この場合は、通常の便においても緑色になる可能性がありますが、青汁摂取などの冷えで下痢をおこすと、下痢が緑色になることがあります。
これは未消化のスムージーや葉物野菜が便に混入することで、緑色に変色しています。
A大腸内が何らかの原因でアルカリに傾いた場合
通常は、大腸の中は酸性が維持されています。
しかし、「胃酸を調整する胃薬の飲みすぎ」など何らかの原因でph調整がうまくいかず、アルカリ性に傾いた場合も便が緑色になるケースとなります。
B胃腸炎の場合
胃腸炎の場合に、なぜ下痢が緑色になるのでしょうか?
便の色を一番左右する物質は、実は「胆汁」です。
胆汁とは、「最終的に胃で消化された食べ物を、小腸で吸収できる形に分解するための物質」です。
そしてこの胆汁には、「ビリルビン」と呼ばれる色素が含まれています。
通常このビリルビンは濃い茶色をしています。
胃腸の調子がいい場合には、余ったビリルビンは再び大腸から吸収されていきますが、それでも最終的に便となって排泄される物質には大量のビリルビンが含まれているため、「茶色」をしているのです。
※このとき、便の色が薄い黄土色の場合はビリルビンの量が少ないと判断されます
しかし、ビリルビンは強いアルカリ性の物質です。
アルカリ性の物質は、酸化する(空気に触れる)と緑色になる性質があります。
下痢を起こすような「胃腸炎」にかかっている場合、大腸でのビリルビンの吸収がうまく機能せず、腸内ガスと結合し(酸化反応をおこし)て緑色になります。
そしてこの緑色に変色したビリルビンが便に混ざることで、便が緑色に変色するのです。
このように、緑色の下痢の場合は胃腸炎が疑われるので、腹痛がしたり、発熱している場合には診てもらったほうが良いです。
しかし、胃薬の飲みすぎや緑黄色野菜の食べ過ぎなどに心当たりがある場合には、少し摂取を中止して様子を見ると良いでしょう。
下痢が黒色になる原因!
黒色になる場合も、病気が疑われる場合とそうではない場合があります。
@黒い食べ物を食べたとき
「黒い食べ物」が便に混じって消化不良を起こし、一時的に黒い下痢を起こす場合も有ります。
例えば「黒ごまスムージー」や「イカスミ」などが代表的なものです。
もし24時間以内にこのような「消化にあまり良くない食べものを食べて」黒い便が出ている場合は、翌日まで様子を見ると良いでしょう。
A病気が疑われる場合
下痢が真っ黒で、なおかつドロッとした状態の場合は、少し注意が必要な状態です。
この黒い色の正体は「血液」であり、それがドロッとした状態になるということは、消化管から出血を起こしているケースが考えられるからです。
黒いドロッとした下痢を起こす代表的な疾患としては
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 胃、十二指腸ポリープ
- 胃がん
- 胃潰瘍
- イレウス(腸閉塞)
などが考えられ、いずれも場合によっては手術が必要とります。
また「大腸ガン」は近年患者数が増加している病気のため、早期発見早期治療が求められています。
「消化器がん」の場合は、最初は
- 軽度の腹痛
- 腹部膨満感
- 下痢と便秘を繰り返す
など、「がん」とは気づきにくい症状から始まります。
そのうちに
- 激しい腹痛
- 嘔吐
- タール便(ドロッとした便)
などの強い症状を起こすようになります。
黒いタール便が出た場合は、放置しないで出来るだけ早い段階で治療を受けるようにしましょう。
なお上記の病気のうち、がん以外の病気も進行すると開腹手術が必要となる深刻な病態です。
便の異常の中でも、「黒い下痢」というのは最も注意度が高い状態だということを覚えておきましょう。
下痢が赤色になる原因!
「黒い下痢」の場合は、消化管からの出血で、悪性腫瘍やポリープなどの疾患が疑われると説明しました。
同じく「赤い下痢」の場合も、出血によって起こる可能性が高い状態です。
ただし、「赤い下痢」の場合は “鮮血” によるもので、出血場所は
- 肛門から直腸にかけて切れる、もしくは裂けている状態
(切れ痔、裂肛など)
- 直腸から下行結腸(直腸に近い部分)にかけて急性腸炎がおきており、そこから出血している状態
が多くなります。
そして排便時に痛みがある場合は、切れ痔や急性腸炎の可能性が高まります。
こちらも痛みが強い場合は我慢をしないで病院を受診するようにしてください。
なお、辛いものを食べ過ぎると直腸付近に炎症が起こり出血します。
排便時に痛みを感じることもありますが、この場合も基本的には医療機関での治療を前提として考えておいたほうが良いでしょう。
下痢が白色になる原因!
下痢が白色の場合に考えられるのは、ロタウイルスへの感染です。
急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一つとして、上記「ウィルスが原因となる下痢!」でも紹介しました。
ロタウイルスの場合は、白っぽい下痢が特徴ですが、それ以外にも「嘔吐」や「お尻のただれ」などが合併症としてみられます。
なお、白くなる理由としては、ウイルスの影響により胆汁が出なくなるためだと言われています。
以上が「下痢に色がつく原因」でした。
なお「緑色の下痢」以外の場合は、身に覚えがあったらすぐにでも医療機関で治療を受けるようにした方が良いでしょう。
下痢の対処法と、オススメの下痢止め!
急に激しい下痢に見舞われた場合は、「胃腸炎」によるものである可能性が高いです。
胃腸炎による「炎症」は熱をもつので、下痢の時はなるべく
- 安静にしている
- 水分を多めにとる
- 食事は消化に良いものを摂取する
ことを心がけましょう。
また、下痢というのは思いのほか大量の水分が体から出て行くため、こまめな水分補給をするようにしてください。
その際、ミネラルウォーターだと含まれているミネラル分が腸に負担をかける場合があります。
※ミネラルウォーターの「ミネラル」とは鉱物のことなので、消化が悪く胃腸障害を起こしているときは、ミネラル分の多い硬水は飲まないほうが良いとされています。
そのため、吸収率を高めた
- スポーツドリンク(冷たくないもの)
- 経口補水液
- 白湯(軟水を使ってください)
などがオススメです。
また、腸内環境を良くすると下痢が止まることもわかっています。
そのためには乳酸菌などの善玉菌を日頃から積極的にとるようにしましょう。
善玉菌は食事で摂取するのが一番理想的ですが、すぐに効果を出したい時は
- ビオフェルミン
- 強力わかもと
- エビオス
などの乳酸菌製剤や酵母製剤などがお勧めです。
(乳酸菌・酵母菌は、善玉菌の一種です。)
人間の免疫力の6割は腸に依存していると言われているため、日頃からのこうしたケアはとても有益な対象法になります。
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