食あたり(食中毒)で熱・頭痛がする原因と対処!食あたりはうつる病気なの!?
このページでは
- 発熱・頭痛を引き起こす食あたり(食中毒)のタイプ
- 熱や頭痛が引き起こされるメカニズム!
- 熱や頭痛への対処方法について
- 食あたりはうつる病気なの?
というテーマでわかりやすく説明していきます。
なお、本記事はあくまでも参考にして頂き、最終的には医者や薬剤師に相談してください。
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食あたり(食中毒)で発熱・頭痛がするのはなぜ?
下痢や嘔吐がひどいんだけど、頭痛と発熱もあるの・・・
食あたりでも頭痛や熱がでるものなの?
そうね。食べ物が原因でお腹を壊すわけだから、消化器症状が一般的にはあらわれるわ。
でも食あたりにはいくつかの種類があって、中には「発熱」や「頭痛」を伴うものもあるわ。
食あたり(食中毒)の主な症状として誰もが思い浮かぶのが
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
などの消化器症状だと思いますが、発熱や頭痛も起こります。
それでは早速「発熱」や「頭痛」を伴う食あたりを挙げていきましょう。
発熱や頭痛を引き起こす食あたり(菌)
サルモネラ菌
生や半生の鶏肉や豚肉、また肉を切った時に使った包丁やまな板などから感染します。
そのほか、卵も主な感染経路になります。
主な症状は
- 腹痛
- 下痢
- 頭痛
- 発熱
です。
カンピロバクター
加熱不足の肉や生のレバー、井戸水や湧き水などが主な感染経路です。
最初は風邪とよく似た
- 腹痛
- 下痢
- 発熱
- 頭痛
- 嘔吐
といった症状が起こります。
潜伏期間は2日〜7日と比較的時間があります。
ボツリヌス菌
漬物などの保存食、自家製の海産物(塩辛や酒盗など)、海外の漬物(キムチ、ピクルスなど)、海外製の魚介加工食品などが主な感染源です。
主な症状は
- めまい
- 頭痛
- 発熱
- 麻痺
- 視覚障害
などです。
潜伏期間は18時間〜36時間ほどで突然重い症状が起こります。
ノロウィルス
生牡蛎などの貝類(二枚貝)、感染者と接触することなどで感染します。
- 頭痛
- 発熱
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
が起こります。
重症化すると命に危険が及ぶケースもあるので要注意です。
ヒスタミン食中毒
「ヒスタミン」とはアレルギーを誘発する物質で、カジキマグロ、ブリ、マグロなどに比較的多く含まれています。
この物質を取りすぎると
- 蕁麻疹
- 発熱
- 頭痛
- 下痢
- 嘔吐
などがあらわれます。
潜伏期間は1時間ほどですので、原因となる食べ物が特定しやすい症状になります。
上記4つの食あたりは「細菌性食中毒」ですが、ヒスタミン食中毒は「科学性食中毒」と呼ばれます。
「頭痛・発熱」を引き起こす食中毒のタイプが分かったかと思うわ。
次は、なぜこれらが熱や頭痛を引き起こすのかを簡単に説明するわね。
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食あたり(食中毒)で発熱や頭痛が引き起こされるメカニズム
先生、熱や頭痛のメカニズムを簡単にお願いします・・・!
なるべくわかりやすく説明するわね。
まず「食あたり」とは、食べ物に
- ウィルス
- アレルゲン
- 毒素
などが含まれていて、それを食べることで消化器内や内臓に異常をきたすことで起こります。
異常部分では強い「炎症反応」が起こるのですが、炎症とは体内で起こる「熱化学反応」です。
この熱化学反応は、病原菌や毒素を察知した免疫システムが、それらを速やかに排除するために、フル稼働することで発生しています。
つまり、発熱そのものは免疫システムが正常に機能するためには必要な反応なのです。
しかし毒性が強い病原菌や毒素が入り込んだ場合は、その排泄に苦戦してしまい、なかなか炎症がひかない状態になります。
最初は炎症部のみに起こっていた熱化学反応が長期化すると、自律神経を直接的に司る「交感神経」を刺激して暴走し、やがて全身に発熱を起こすようになります。
自律神経は「脳幹」という脳の一部がコントロールの中枢なので、ここが暴走すると脳を覆う重要な神経を刺激して「頭痛」になります。
このように体のどこか一部に炎症反応が起こると、それが重症の場合には免疫システムがフル稼働するためにストレスがかかります。
そして発熱が全身に広がり、それが原因で脳の神経も過敏となり頭痛を起こすようになるのです。
ちなみに上で挙げた5タイプの食あたりは、それぞれ原因となる病原菌や毒素が違いますが、
- 炎症を起こす
- 重症化する
- 熱が上がる
- 自律神経が暴走する
- 全身で発熱する
- 脳の神経を刺激する
- 頭痛が起こる
という「発熱・頭痛につながる流れ」については、ほぼ同じ過程を経て発症します。
少し難しい話だけど、わかったかしら。
次は「発熱・頭痛がする場合の対処法」をお話しするわね。
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食あたり(食中毒)による熱・頭痛への対処法は?
とりあえず、早く熱と痛みを和らげたいよ・・・
そうだね。
菌を体内から排出し切るまでは完治できないけど、和らげることは可能だわ。
では、発熱・頭痛時の対処方法を簡単に説明していきます。
1.基本中の基本「水分補給」
第一として挙げられるもっとも基本的な対処としては
こまめな水分補給
です。
食あたり(食中毒)の症状としては、下痢や嘔吐といった「消化器症状」が最初にあらわれ、二次的な症状として頭痛や発熱が出ることが多いです。
これは上で説明した通り、メカニズムからしても最初は消化器に炎症が起こるからです。
したがって
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
という、体の中で水分消費の激しい症状が重なって起こることになります。
このため下痢や嘔吐で失われた水分を適宜補給すること、そして熱を冷ます意味あいで「こまめな水分補給」を行うことが、食あたり時にできる最も大切な対処法になります。
2.基本的な2つ目の対処
2つ目の基本となる対処としては、とにかく安静にすることです。
発熱や頭痛、腹痛など「炎症反応(痛みは炎症とセットで起こります)」が強く出ている時は、動き回ると余計に代謝が上がります。
すると余計に熱を持ちやすくなるので、安静にして冷やすことが重要になります。
3.とにかく冷やす
頭痛を感じている時は「濡れタオルや氷嚢で直接頭を冷やす」ことが効果的です。
もし頭痛がなく熱のみの場合は
- 脇の下
- 首筋
など「太い血管が比較的体の表面に近いところを通っている部位」を冷やすのが、迅速に熱を下げるのには適しています。
4.解熱剤(消炎鎮痛剤)を飲む
解熱剤(消炎鎮痛剤)を飲むというのも有効な手段ですが、この薬は継続して飲むと効き目が弱くなる可能性があります。
そのため1〜2日経過しても熱や頭痛が治まらない時は、速やかに医療機関を受診しましょう。
5.病院での対処療法
症状が重症の場合は、
- 入院での点滴による集中的な補液治療
- 整腸剤投与
などによる対症療法が行われることがあります。
ただし食あたりを起こす原因菌には、既存の抗生物質が効かないケースが多いので注意が必要です。
もし抗生物質が投与されるとしたら、それは「二次感染予防」のためであり、それによって原因菌を殺すことはできません。
したがって、「安静」と「給水」が最も重要な対処法になるということを覚えておきましょう。
以上のとおり、風邪と変わらず「安静・給水・冷やす」というのがもっとも基本的な対処となります。
嘔吐と下痢で脱水症状を引き起こすこともあるため、水分摂取が出来そうにない場合は早めに病院を受診しましょう。
食あたり(食中毒)はうつる病気なの!?
「食あたり」で家族に感染させてしまわないか心配だわ。
食あたりを引き起こす菌には、「感染するもの」「感染しないもの」があるわ。
一般的な食あたりには
- 感染型
- 毒素型
の二種類があります。
※ヒ素や毒キノコによる食あたりなどもありますが、あまり一般的では無いためここでは説明を省きます
このうち「感染型」は、文字どおり感染するタイプなので「うつる」病気です。
頭痛や発熱をおこしやすい5大食中毒の中でも
- サルモネラ菌
- カンピロバクター
- ノロウィルス
は集団感染を引き起こすため、十分な注意が必要です。
また、上では紹介していない「食あたりを引き起こす菌」として
- 腸炎ビブリオ
- リステリア菌
- ウェルシュ菌
- 病原性大腸菌(出血性大腸菌)
などがありますが、これらも感染するタイプです。(これらは消化器症状が強いタイプです)
一方で「毒素型」の場合は “同じ食事を一緒に食べた人達” は集団で発病しやすいのですが、人から人への感染はあまりないため、「うつる病気」ではないと判断されるケースが多くなります。
なお、上で「ヒスタミン食中毒」という “アレルギーによって引き起こされる食中毒” を紹介しましたが、こちらは菌は関係のないタイプです。
そのため、こちらも感染しないタイプの食あたりということになります。
さいごに!
嘔吐物や排泄分の処理によってうつるケースが多いです。
また、公共のトイレでも感染する可能性が十分にありますので、手洗いはしっかりと行いましょう。
食あたりにお困りの方は、「食あたり(食中毒)の種類と症状、発症時間、原因となる食事や対処・薬!」も参考にしてみてください。
▼少しでも多くの方に届くよう、シェアして頂けますと幸いです!
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