おたふく風邪の症状・原因・治療・予防接種・大人へうつった場合の危険性
このページでは、
- おたふく風邪の症状・原因・治療
- おたふく風邪はうつる?
- 潜伏期間と感染力について!
- 予防接種ワクチンの費用と、受けられる病院
- 大人への感染は危険?<症状・原因・治療>
- おたふく風邪による合併症とは?
についてどこよりも分かりやすく!説明します。
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おたふく風邪ってなに?
おたふく風邪は、正式な病名を
流行性耳下腺炎
(りゅうこうせいじかせんえん)
と言います。
この「流行性耳下腺炎」という名称から、
「流行性」の「耳下腺炎」である
ということが分かります。
「流行性」とは ”流行病(はやりやまい)” 、つまり
人から人にうつる病気 = “感染症”
という意味です。
※おたふく風邪は、うつっても発症しないことも多いです。
(後ほど説明します)
また「耳下腺炎」という言葉から、
症状が
「耳下腺」=「耳の裏側から首の上の方(耳と顎、首の付け根)」
に起こる
ということがわかります。
つまり、おたふく風邪とは「耳裏から首にかけて炎症を起こす感染症」です。
この「炎症」が起きた結果、
画像出典:http://www.taiyoseiki.co.jp/
上記画像のように「おたふく(下膨れ)」が起こります。
また、「風邪」という言葉から、「咳」や「鼻水」もイメージされがちですが、一般的な風邪とはウィルスのタイプが違うため、咳や鼻水といった症状はあまり起きません。
なお、この「おたふく風邪」とは、江戸時代頃につけられた古い病名です。
この時代、喉付近に強い炎症反応が起こる病気は、当然の様に「風邪」という病名がつけられていたことに由来していると考えられています。
では前置きが長くなりましたが、
まずは「おたふく風邪の症状・初期症状」から説明しましょう。
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おたふく風邪の初期症状・症状
おたふく風邪の初期症状としては、
- 軽度の頸部の腫れ
- 喉の違和感(痰がからむ、声がかすれるなど)
- 頸部(首や耳裏付近)の痛み
などが挙げられます。
その後、ウィルス量が増えるにともなって頸部の腫れが大きくなり、
- 炎症部の強い痛み
- 発熱
- 悪寒(全身のゾクゾクした寒気)
- 発熱からの腹痛・関節痛
が見られるようになります。
さらに、腫れた部位の痛みが強いため
- つばやものを飲み込むことができない
- 痛くて眠れない(不眠になりやすい)
- 顎が動かせない(”噛む” ”しゃべる” という動作に障害が出る)
などが二次的な症状として現れるようになります。
これらの症状は7〜10日ほどで消失することがほとんどですが、歯周病や虫歯があったり、加齢などで抵抗力が弱まっていると、髄膜炎などの重篤な病気に進行するケースもあります。
髄膜炎などの合併症については、最後にまとめて説明しています。
では続いて
「おたふく風邪の原因」について説明しましょう。
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おたふく風邪の原因とは!?
おたふく風邪は、「ムンプスウィルス」に感染することで引き起こされます。
よく「おたふく風邪はうつりますか?」と質問されますが、
“おたふく風邪はうつる病気” です
というのが回答になります。
しかし、ムンプスウィルス自体は常に空気中に漂っているものであり、免疫力が強い健康な身体であれば、感染しても発病することはありません。
これを不顕性感染といい、発病した場合は日和見感染(ひよりみ感染)と言います。
ちなみに、主な感染経路としては
■飛沫感染
⇒咳やくしゃみによって空気中にウィルスが放出され、他の人へうつる
■接触感染
⇒感染者に直接接触することはもちろんのこと、感染者が触れたものに後から触る「間接接触」でも感染する可能性がある
の2つが挙げられます。
したがって感染した場合は外出を避け、感染拡大の防止に努める必要性があります。
また、おたふく風邪が流行しやすいのは春先から夏にかけてと言われていますが、ムンプスウィルスは一年中活動するウィルスですので、流行情報が報道された場合は季節関わらず十分な警戒が必要となります。
なお、赤ちゃんや子供のころに接種したワクチン※は、数十年効果が持続するため、仮に感染しても発症することはありません。
※昔はおたふく風邪もワクチン接種が義務付けられていましたが、2016年現在は任意となっています
※ワクチンの費用や受けられる病院については、後ほど説明しています
また、子供のころに感染してしまった場合でも、体内で抗体を作り出して発症を防いでくれます。
では続いて、
「おたふく風邪の治療」について説明しましょう。
おたふく風邪の治療とは?
おたふく風邪の原因ウィルスは、上記の通り「ムンプスウィルス」です。
しかし、この「ムンプスウィルス」には効果のある抗生剤がありません。
そのため発病してしまうと、症状を和らげるための
消炎鎮痛剤(熱と腫れからくる痛みの緩和)
による対症療法しか、有効的な治療法は存在しません。
その他出来ることとすれば、栄養と休養をしっかりととり、体力の回復を待つことのみです。
消炎鎮痛剤以外に処方される薬としては、
■うがい薬
⇒口腔から咽頭にかけて他の菌による感染症を予防する
■湿布薬
⇒発熱からくる関節痛や筋肉痛を緩和する
程度です。
なお、子供がかかった場合に処方される「消炎鎮痛剤」は、消化器への副作用を回避するために座薬が処方されることもあります。
では続いて
「おたふく風邪の潜伏期間と感染力」について説明しましょう。
おたふく風邪の潜伏期間と感染力について
先ほど、「おたふく風邪はうつる病気」だと説明しましたが、ではどのくらいの潜伏期間があるのでしょうか?
おたふく風邪の原因菌である「ムンプスウィルス」の潜伏期間は、
およそ2週間から3週間
であり、感染後このぐらいの期間を経て発病します。
ただし、感染後1週間程度経つと体内でウィルス量が爆発的に増え始めますので、この頃は自覚症状はなくとも、他者への感染リスクは飛躍的に高くなります。
そのため、感染後1週間 〜 発病するまでの2週間程度までは、知らず知らずのうちに人にうつしてしまう可能性が非常に高いです。
10歳未満のお子さんがいる家庭では、「流行情報」が報道された場合には十分に注意しましょう。
帰宅後の「手洗い・うがい」を習慣付け、外出時はマスクを付けることをお勧めします。
このような習慣だけでも、おたふく風邪をはじめとして
・インフルエンザ
・ノロウィルス
・風邪
など、他の感染症への予防にも繋がります。
では続いて
「おたふく風邪の予防接種ワクチン」について説明します。
おたふく風邪の予防接種って?
おたふく風邪最大の予防法は
予防接種を受ける
これにつきます。
現代(2016年現在)の日本では、おたふく風邪の予防接種については “任意接種” となっており、医療機関で受けることができます。
受け方としては「インフルエンザウイルスのワクチン接種」と同じだと思ってください。
また、おたふく風邪の患者数は10歳以下の子供、特に2〜5歳児が一番多いため、予防接種ワクチンを受ける最適な時期は1歳児検診時かその付近と言えます。
さらに1回接種(予防効果90%以上)よりは、2回接種(予防効果99%以上)することで、さらに予防効果は確実なものとなります。
余裕がある人は、2回接種を受けておけば「おたふく風邪への対策はほぼ完璧」と言って良いレベルになります。
※かなりの確率でかかるリスクを回避できるとはいえ、ワクチン接種を受けてもおたふく風邪にかかる可能性を100%回避できるとは限りませんが、重症化へのリスク対策は確実となります
では続いて
「予防接種ワクチンを受けられる病院と、接種費用」について説明しましょう。
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どこで受けられる?料金は?
おたふく風邪の予防接種ワクチンは
■15歳未満の子供の場合
⇒小児科
■妊婦並びに2歳未満の子供
⇒産婦人科
■15歳以上
⇒一般内科
で受けることができます。
ただし、おたふく風邪のワクチン接種は「任意接種」といって患者側の自由意志で受けるものなので、健康保険の適用外となります。
つまり、“保険証が使えない = 自由診療” であり、費用は全額自己負担となります。
また自由診療に関する医療費(料金)は、法律上医療機関ごとに自由に設定して良いことになっているため、医療機関よってその費用は変わってきます。
全国的にみると、大体7000円前後が相場だと言われていますが、必ず事前に医療機関に費用を問い合わせてから受診するのがオススメです。
予防接種ワクチンに副作用はある?
おたふく風邪の予防接種ワクチンの副作用としては、
接種後1週間後あたりから発熱や頚部(耳下〜アゴ付近)の腫れ・痛み
などを起こす場合があります。
なお、接種後30分以内に熱・咳・蕁麻疹などアレルギー反応を起こす場合もあります。
副作用・アレルギー反応、いずれの場合も症状が出始めたら早めに病院に連絡するようにして下さい。
では続いて
「大人のおたふく風邪は危険!」について説明しましょう。
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おたふく風邪は大人もうつる!
おたふく風邪は10歳未満の子供に患者数が集中していることから、一般的には「子供の病気」とイメージされることが多いです。
しかし、実際には大人もかかりうる病気であり、近年大人のおたふく風邪の発病例は増加しつつあると言われています。
大人のおたふく風邪も子供と同様であり、初期症状として
- 軽度の頸部の腫れ
- 喉の違和感(痰がからむ、声がかすれるなど)
- 頸部(首や耳裏付近)の痛み
などが見られます。
そこから徐々に悪化し、
- 発熱
- 悪寒(全身のゾクゾクする寒気)
- 炎症部位の腫れ
- 倦怠感
- 発熱からの腹痛や関節痛
などが起こります。
ただし、大人の場合は子供に比べて「重症化しやすい」という特徴があるので注意が必要です。
ではここからもう少し詳しく「”大人のおたふく風邪” の注意点」について説明しましょう。
大人のおたふく風邪、何がこわい??
上記のとおり、大人のおたふく風邪は子供よりも重症化しやすいと言われています。
そして、重症化することで何よりも怖いのが合併症です。
大人のおたふく風邪による合併症としては、
- 難聴(なんちょう)
- 内耳炎(ないじえん)
- 外耳炎(がいじえん)
- 髄膜炎(ずいまくえん)
- 膵炎(すいえん)
- 睾丸炎(こうがんえん): 男性
- 乳腺炎(女性の場合): 女性
などが挙げられます。
特に膵炎はインスリン不全を招き「糖尿病」や「慢性膵炎から膵がんへと移行するリスク」が高まります。
また、難聴によって「慢性的な聴力障害」を起こしてしまう危険性もあります。
さらに、髄膜炎を合併すると、稀に四肢の麻痺や半身不随となり、重度の神経症から寝たきりになることも危惧されています。
これらの合併症については、本ページの最後にもう少し詳しく説明します!
ではなぜ、
大人のおたふく風邪は重症化しやすいのでしょうか?
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大人のおたふく風邪はなぜ重症化しやすいの?
おたふく風邪の原因菌である「ムンプスウィルス」は決して珍しいタイプのウィルスではありません。
日常生活のなかでは普通に空気中に漂っており、健康体であれば免疫の力で封じ込めることが出来るウイルスです。
しかし、
- ストレス
- 寝不足
- 過労
- 加齢
- 病中病後
- 妊娠
などの理由で免疫力が低下すると、体内での抗体の合成が追いつかず大人でも感染してしまうのです。
つまり、大人はもともとムンプスウィルスに対する抗体を持っていますが、抑制するための免疫力が低下することで、抗体の合成を上回る異常なスピードでウィルスが増殖していくことになり、その結果より強い自覚症状が出ることになるのです。
※子どもが大人より症状が軽い理由としては、「成長ホルモンが作用しているからではないか?」という説もありますが、未だに明確にはなっていません
つまり?
繰り返しになりますが、大人のおたふく風邪は、炎症が強く出ることで重症化しやすく、その分合併症を引き起こす可能性も高まります。
また、おたふく風邪は発病すると外から見てわかるほどに、耳下腺部が腫れあがるような強い炎症反応が起こり、消失するまでには通常でも1週間〜10日ほどの期間が必要です。
さらに厄介なことに、ムンプスウィルスに有効な抗生剤が存在しないため、根本的な治療法は存在しません。
そうなると、しばらくは仕事どころではありません。
では、病院には行った方がいいのでしょうか?
大人のおたふく風邪、病院に行くべき?
結論から言うと、
頚部(首や耳裏付近)や関節痛などが酷い場合は、症状に応じた薬を処方してもらえるため、診てもらっても良いでしょう。
しかし、上で述べたとおり、おたふく風邪には抗生剤が存在しないため、以下の様な対処療法しかありません。
■うがい薬
⇒口腔から咽頭にかけて他の菌による感染症を予防する
■湿布薬
⇒発熱からくる関節痛や筋肉痛を緩和する
そのため、別の病気をもらう可能性もあるため、無理に病院を受診する必要はないと考えられます。
なお、大人であっても小さい頃にワクチン接種をした記憶がない方は、予防ワクチンを接種してもらい、予防に努めることが唯一の予防対策と言えます。
その他の予防としては、風邪やインフルエンザと同様に「手洗い・うがい」を習慣付け、外出時はマスクを付けることに尽きるでしょう。
では最後に
「おたふく風邪の合併症は怖い!」について説明しましょう。
おたふく風邪の合併症について!
すでに説明しておりますが、大人がおたふく風邪を発症すると合併症を起こして重症化するリスクが高まるということが判明しています。
※子供が合併症を起こさない、というわけではありません
考えられる合併症としては、上でも挙げましたが
- 無菌性髄膜炎
- 精巣炎(男性の場合)
- 卵巣炎(女性の場合)
- 膵炎<読み:すいえん>
- 聴力障害
- 心筋炎
- その他の病気
などです。
ではここから、
上記7つを一つずつ説明していきましょう。
@無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)
数あるおたふく風邪の合併症としてもっとも懸念されるのがこの「無菌性髄膜炎」です。
名前に「無菌性」とありますが、これは医療用語であり、
“一般的な検査では病原菌(ウィルスなど)が検出されない”
という意味です。
つまり、「菌が無い」という意味ではありません。
おたふく風邪に合併する無菌性髄膜炎の原因は、ムンプスウィルスです。
(話がややこしいですが・・・。)
ちなみにムンプスウィルスは、おたふく風邪の原因菌です。
さて、この「髄膜炎」とは文字通り「髄膜が炎症を起こす病気」です。
髄膜とは、脊椎内を通っている重要な神経を保護する膜です。
髄膜炎では、この「髄膜」にまで炎症が広がってしまい、原因菌が脳や心臓など色々な臓器に流れ、そこで悪さをするという病気です。
髄膜炎では、特に自律神経に深刻なダメージが残りやすく
・発熱
・頭痛
・嘔吐
・けいれん発作
などの症状が、非常に強く出ます。
そして発病から数日で脳炎や脊髄炎に進行し、麻痺や痺れなどの運動障害や感覚障害(視力・聴力など)など、深刻な後遺症を引き起こすことがあります。
※脳炎や脊髄炎に進行する ”悪性度の高い無菌性髄膜炎” の発症率は高くありませんが、注意は必要とされています
ムンプスウィルスには有効な抗菌薬が存在しないため、この無菌性髄膜炎には特に十分に注意が必要です。
A精巣炎(せいそうえん)
おたふく風邪では、発症部位が頚部(首や耳付近)ということもあり、脳や頚椎、内耳といった重要な器官に炎症が広がりやすいです。
それゆえ、性ホルモンを司る頸部の甲状腺や脳幹に悪影響がでると、男性の場合は精巣炎を合併するリスクがあります。
精巣炎はまだ睾丸や精巣の機能が十分ではない子供よりも、15歳以上の成人がかかりやすい病気です。
精巣炎は文字通り精巣内部(睾丸)に炎症を起こす病気であり、
- 発熱
- 陰嚢の腫れ(睾丸腫張)
- ごく稀に、睾丸萎縮(片方の場合もありますが、両方に起こる場合もあります)
- 萎縮性(縮み上がるような)の陰嚢痛
などが起こります。
もし睾丸萎縮を起こしてしまうと、精子の製造機能が低下するため、男性不妊症になる危険性があります。
B卵巣炎(らんそうえん)
女性の場合は「卵巣炎」を起こす危険性があります。
ただし、自覚症状としては下腹部痛程度であり、上記の精巣炎に比べると分かりづらいです。
そのため、おたふく風邪にかかって下腹部痛が起こった場合は直ちに婦人科を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
この際、他の妊婦や新生児に感染させ無いよう、可能な限り事前に電話確認をしてから受診するようにしましょう。
卵巣炎は女性不妊症の直接的な原因になるため、しっかりと治療する必要性があります。
C膵炎(すいえん)
膵炎とは、膵臓が炎症を起こす病気です。
おたふく風邪の症状が出る頸部には、性ホルモン以外にも重要な代謝ホルモンを制御している甲状腺がすぐ近くにあります。
もし炎症が甲状腺にまで浸潤(広がる)してしまうと、膵臓にも悪影響が起こるリスクがあります。
※膵炎を起こす割合は数%と高くはありませんが、他にも代謝系臓器があるなかで、なぜ膵炎を合併するのかということについては、よくわかっていません
膵炎を起こすと
- みぞおち付近に起こる違和感や痛み(鈍痛もあれば激痛もあり)
- 発熱
- 倦怠感
などが起こり、さらに進行すると細胞の繊維化も進んでしまい
●慢性膵炎
●進行性(ステージ2以降)の”II型糖尿病”
●膵臓がん
にかかるリスクが高まります。
D聴力障害
おたふく風邪では、強い炎症が耳の付け根付近で起こります。
この炎症が聴覚神経にダメージを与えると、聴力障害(聴力の低下)を起こすこともあります。
また、おたふく風邪の症状が強い時は "一時的な"
・聴力低下
・耳鳴り
・めまい
などの症状を起こす場合もあります。
一時的な聴力障害を合併している程度であれば、おたふく風邪の治癒と共に聴覚障害も消失していきます。
しかしダメージが残ってしまった場合には、慢性的な聴覚障害を抱えてしまう場合もあります。
※髄膜炎や脳炎を合併すると、慢性的な聴覚障害が残ってしまう危険性が高まります
E心筋症(しんきんしょう)
ムンプスウィルスが、血液やリンパ液にのって心臓にダメージを与えることで起こる合併症がウィルス性心筋炎です。
発症頻度は極めて低いのですが、成人の場合には十分注意しなければならない合併症の一つです。
「心筋炎」という名称からもわかる通り、発病すると心臓の機能が低下するため
- 発熱(心筋に炎症が起こることが原因)
- 呼吸困難
- 激しい動悸、息切れ
- 不整脈
- 胸痛発作
などを伴い、最悪の場合は ”心不全” を起こし、死に至ることもあります。
Fその他の病気
炎症が起こる耳下腺付近には、内耳・外耳・顎関節などの重要な器官があります。
そのため、炎症がこれらの器官に広がると
- 内耳炎
- 外耳炎
- 顎関節炎
- 誤嚥性肺炎(ものがうまく飲み込めず気道側に食べ物が落ちていき、炎症を起こすことで発病する)
- メニエル症候群や特発性難聴のような症状(激しいめまい、難聴、耳鳴りなど)
を合併することもあります。
まとめ!
長くなりましたが、
説明のとおり「おたふく風邪の治療」は特に無いのが原状です。
そのため、基本は栄養と休養をしっかりととり、体力の回復を待つことのみで問題ないです。
例外として、大人の場合は上記のような合併症が引き起こされることがあるので、あまりにも症状が引かないようであれば、病院を受診しましょう。
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