胃がんの症状・初期症状・原因・手術・ステージ別生存率<胃痛の原因>

胃がんの症状・初期症状・原因・手術・ステージ毎の生存率<胃痛の原因>

このページでは

 

胃がんについて

 

  • 胃がんとは?
  • 初期症状
  • 主な症状
  • 原因は?
  • 治療(手術など)
  • ステージ毎の生存率

 

わかりやすくまとめています。

当ページは医療に精通したライターが分かりやすさを重点に執筆し、当サイトにて確認の上、公開しております。ただし確実性は保障しかねるため、あくまでも参考程度にご覧下さい。気になる症状がある場合は、まずは病院を受診しましょう。

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胃がんとは!?

日本人の死亡原因の第1位は「がん」です。

 

「がん」の中でも2016年現在、高い発症率と死亡率で第2位なのが「胃がん」です。

 

近年、死亡率では「肺がん」に抜かれたものの、発症率では以前として第1位です。

 

年齢別でみると、中高年の男性に多い病気です。

 

胃がんは4つのステージに分類される

胃がんは進行具合によって、第I期から第IV期までの4ステージに分類されています。

 

このステージは、がん化した細胞が胃壁の中にどれぐらい深く潜り込んでいるかによって決まります。

 

第T期(ステージ1)

第T期は「TA」「TB」の2段階に分かれており、いずれの状態も「早期がん」と呼ばれる段階です。

 

 

第T期(IA)

リンパ節には転移しておらず、胃粘膜内にとどまっている状態です。

 

第T期(IB)

胃周囲のリンパ節に転移があり、胃の固有筋層に達している場合です。

 

 

第U期(ステージ2)

ステージU期以降は、進行がんと呼ばれます。

 

第U期では、胃に接続している血管周辺のリンパ節にも転移が広がり、

 

  • 胃の漿膜(しょうまく:粘膜層の下)に達している
  • 胃の外側にまでがん細胞が進行している

 

いずれかの状態です。

 

第V期(ステージ3)

第T期は「VA」「VB」の2段階に分かれています。

 

 

第V期(VA)

胃に接続している血管周辺のリンパ節にも転移が広がり、胃の外側に進行し、他の臓器にも転移が認められる状態です。

 

※ただしリンパ節への転移は未確認の状態

 

 

第V期(VB)

胃に接続している血管周辺のリンパ節にも転移が広がり、胃の外側に進行し、他の臓器にも転移が認められる状態です。

 

※確実にリンパ節に転移している状態

 

 

第W期(ステージ4)

胃から離れた臓器やリンパ節にも転移をしており、最も重症度が高い状態です。

 

 

 

では続いて
「胃がんの症状」について説明しましょう。

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胃がんの症状と初期症状

初期症状や具体的な症状を、ステージ毎に説明します。

 

 

第T期(ステージ1)

具体的な症状としては、第T期の状態ではほとんど無自覚であり、たまたま受けた「人間ドック」や「がん検診」で見つかったという場合が多いとされています。

 

 

第U期(ステージ2)

第II期にて、「進行性がん」となってようやく以下のような初期症状(自覚症状)が出てくるようになります。

 

  • 胃痛(食事をすると治ることが多い)
  • 胸焼け、腹部の不快感
  • 腹部膨満感
  • 消化不良
  • のどのつかえ、ものが飲み込みにくくなる

 

 

第V期(ステージ3)以降

ステージ3以降になると、

 

  • 食欲不振、貧血、体重減少
  • 胃穿孔(がんが進行して胃壁に穴を開けること)
  • 吐血、下血
  • 激しい胃の痛み
  • 胃捻転

 

などの症状がみられます。

 

 

 

ご覧のとおり、前兆となる症状は、胃潰瘍慢性胃炎と似ているため、自覚症状のみで胃がんと診断するのは困難です。

 

逆に言えば、慢性胃炎や胃潰瘍でも定期的に胃カメラをおこなって、胃がんの発症を確認する必要性があるということです。

 

また、胃がんの中には発見しづらく、転移が早い「スキルス性胃がん」というタイプもあります。

 

このがんの場合、発見時にはすでに第V期に移行していることが多く、「治療の困難ながん」とされています。

 

 

では続いて
「胃がんの原因」について説明しましょう。

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胃がんの原因とは!?

胃がんの原因は

 

胃の中の環境を長期間悪化させてしまうこと

 

に尽きます。

 

そこで「胃の中の環境を悪くする要因」を一覧にしてみましたので、参考にしてください。

 

  • 喫煙(受動喫煙を含む)
  • 塩分、脂肪分の多い食事
  • 化学物質や食品添加物の過剰摂取
  • 慢性胃炎、胃潰瘍(ヘリコバクター・ピロリ菌感染症)
  • 精神的なストレス

 

 

では続いて
「胃がんの治療」について説明しましょう。

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胃がんの治療とは?

胃がんの治療はステージによって変わりますが、第IV期(ステージ4)以外の場合は、何らかの手術が行われることになります。

 

まずは「ステージ1〜3における手術」について、その後「ステージ4における治療」を説明しましょう。

 

 

ステージ1〜3に行われる手術

それではステージ1〜3までに行われる「胃がんの手術」に、どのような種類があるのかを見ていきましょう。

 

 

内視鏡手術


早期がん(ステージ1)の時におこなれることが多い手術です。

 

胃カメラの要領で、「メスが先端についたカメラ」を口から胃に送り込み、腫瘍を切除します。

 

局所麻酔で施術可能なため、麻酔によるダメージが少なく、日帰りでも可能な手術です。

 

ただし、出血が多い場合は入院する場合もあります。

 

なお、レーザー療法も基本的には内視鏡下で行われます。

 

 

噴門側切除術(部分切除)

ごく早期のがんで、

 

  • リンパ節に転移していない
  • 胃の上部にだけがんがある

 

場合に行われる手術です。

 

胃の上部1/3を切除する方法ですが、下部だけを残すと、胃酸が逆流する「逆流性食道炎」を合併してしまいます。

 

そのため、上部がんについては通常「胃全摘」を行うケースが多いので、実際には実施例の少ない手術です。

 

※胃全摘については後ほど説明します

 

 

幽門部切除術(部分切除)

胃がん手術の70%がこの手術であると言われています。

 

胃の下側にある出口(幽門)側にがんができた場合に、胃の下側から2/3を切除し、周辺細胞の切除とリンパ節郭清(※)も行います。

 

胃がんの8割は胃の下側に腫瘍ができるため、この手術が一番頻度が高くなるということになります。

 

※「リンパ節郭清」というのは、がん細胞が遠隔転移しないようにリンパ節も一緒に切除する手術のことです。

 

 

胃全摘

ステージ3か、それ以下のステージであっても、胃の上部(噴門側)に腫瘍が存在している場合に行われます。

 

胃を全部取ってしまうので、胃の再建術(後述します)とリンパ節郭清が合わせて行われます。

 

 

胃再建術

「胃全摘」を行った後に、胃の機能を他の臓器を使って再建するための手術です。

 

最も多く行われているのが、食道と十二指腸をつなげる「ルーワイ法」という再建術です。

 

手術前よりはどうしても消化機能が落ちますが、訓練で食事法や調理法を工夫することで、手術前とほぼ同等に飲食することが可能となります

 

 

 

ここまでが、「ステージ1〜3で行われる手術」についてです。

 

なお、「胃がんの手術が原因となる死亡率」は全体の約1.7%だと言われていて、これは世界的に見ても最高水準(失敗が少ないという意味)です。

 

日本では胃がんを患う可能性が高いため、それだけ症例と実施例も多いです。

 

そのため、これだけ「安全性が高い胃がん手術」の実施を可能にしていると考えられています。

 

 

では続いて「ステージ4で行われる治療」について説明します。

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ステージ4で行われる治療

ステージ4では遠隔転移しており、

 

転移している「遠隔のリンパ節や臓器」に対して、手術を行うというのができない状態である

 

ことが多いです。

 

そのため、症状を遅らせるために

 

化学療法+放射線治療

 

が選択されることになります。

 

ただし、

 

  • 基本的に胃がんに効果のある抗がん剤は種類が少ない
  • 放射線治療も効果があまり期待できない上に、胃周囲の臓器が放射線に弱い

 

という特徴があり、緩和ケア(疼痛コントロール)による終末医療が選択される場合もあります。

 

〜胃がんの化学療法で使われる抗がん剤一覧〜

  • TS-1

    (有効成分:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)

  • ランダ、プリプラチン、シスプラメルク、プラトシン

    (有効成分:シスプラチン)

  • カンプト、トポテシン

    (有効成分:イリノテカン)

  • ゼローダ

    (有効成分:カペシタビン)

  • ハーセプチン

    (有効成分:トラスツズマブ)

 

なお、これらの治療は主に「再発、転移等により切除できない胃がん」の治療時に用いられるものであり、あくまで胃がんの場合は手術が第一選択肢となります。

 

 

 

では続いて
「胃がんのステージ毎の生存率」について説明しましょう。

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胃がんの生存率はどれくらいか?

はじめに説明のとおり、胃がんは今なお、がん全体のなかでも高い発症率を維持しています

 

しかし、死亡率で言えば肺がんについで2位です。

 

毎年10万人以上が「胃がん」にかかるのに対し、「肺がん」にかかる人数は毎年5万人弱だと言われています。

 

かかる数は2倍あるにも関わらず、死亡率は肺がんの方が高いのです。

 

では、「胃がんはがんとしては安全なのか?」と言えば答えはNOです。

 

「胃がん」はがんの中でも悪性度が高く治療が難しい部類に入ります。

 

抗がん剤や放射線治療が効きにくいというのもそれを物語っています。
しかし日本では、早期胃がんであれば90%近い確率で治療可能だとされているのです。

 

また医療も日進月歩の勢いで、新たな成果を更新し続けているのです。

 

がんは「5年生存率」が一つの目安

「5年生存率」とは、

 

治療終了後5年間生存していれば、再発転移のリスクをとりあえずは回避できる

 

とされている指標です。

 

もちろん5年以後も定期的に再発や転移がないか調べる必要性はありますが、とりあえず5年間再発や転移なく生きていれば、その後はがんを恐れずに生きていけるということになります。

 

では、胃がんの各ステージで5年生存率はどれぐらいの割合になるのかを見ていきましょう。(5年実測生存率)

 

  • 第I期(ステージT):87.8% 
  • 第II期(ステージU):62.0%
  • 第III期(ステージV):40.5%
  • 第IV期(ステージW):7.2%

 

この値をご覧いただくと分かるとおり、治療開始が遅れて進行してしまうほど、5年生存率も著しく低下していくことがわかります。

 

胃がんは早期発見、早期治療ができれば死ぬような病気ではありません。

 

しかし発見が遅れてしまうと治療が難しいということです。

 

胃がんの早期発見には胃がん検診や人間ドックなどが最も早期発見につながるという実績があるので、毎年受けるようにしましょう。

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胃の症状を分かりやすく説明します!

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